具志堅の持つ大記録に並ぶ女レジェンド
練習を休まない素質
前日は、父・潤一さんの誕生日だった。計量後に食べる予定の『うな玉』を「毒見代わり」(小関)にプレゼントしたという。今回は、ずっと、その父親が切干大根やひじきやほうれん草など野菜中心の食事メニューを作ってくれた。体重が落ちすぎて貧血などが起きるため、鉄分補給を考えたメニュー。支えてくれた家族への恩返しは、13度目の防衛成功しかない。 「スピードのある攻防をお見せできると思う。試合後に私の手が上がるイメージを持って戦いたい」 2008年8月にタイトルを奪取して以来、5年以上負けを知らない。その背景にあるのは、誰もが目をみはる小関の絶対的な練習量である。有吉会長も「前の試合が終わって1週間もすればジムにきた。誰よりも練習をする、休まないという素質が彼女にはある」という。 V13という偉大なる記録は、彼女が流してきた汗と涙の結晶である。ひな祭りの日の聖地後楽園のリングでは、恐縮などせず、堂々と上を向けばいい。記録は破られるためにあるものとは誰かが言った。タイトルの重みや記録の価値を議論をすればきりがないだろうが、そのプロセスは、偉大なる記録に恥じぬ、31歳、女レジェンドボクサーの勲章である。