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三越劇場での「東京建築祭キックオフイベント」に潜入
さて、クラファンで最も多い87人が選んだリターンが、トートバッグ付きの「東京建築祭キックオフイベント」への招待だ。そこで、キックオフイベントを取材させてもらった。
キックオフイベントは、まず、豪華な装飾に彩られた三越劇場の副支配人・齊木由多加さんによる、建築解説で始まった。日本初の百貨店として「デパートメント宣言」を表明し、日本橋に最先端の設備を採用したルネッサンス様式の本店を建築したものの、関東大震災で被災し、残った躯体を活かして修復した際に、三越劇場(当時は三越ホール)が誕生したことや、天井を飾る美しいステンドグラスは実は4段構成になっていること、至るところに隠し絵があることなどを解説してくれた。
次いで、実行委員長の倉方さんから東京建築祭の狙いが説明され、キックオフの特別プログラムへ。まず、ゲストの建築家・藤本壮介さんが、自身の設計した建築物を紹介しながら、建築の可能性を語るミニ講演。最初の事例として紹介された、フランス南部のモンペリエに建築した集合住宅「L’Arbre Blanc」に驚いた。恥ずかしながら筆者は、この集合住宅を初めて知ったのだが、木から枝が伸びるように躯体から張り出した奥行きのあるバルコニーの写真を見て度肝を抜かれた。ほかにも、前橋の白井屋ホテルなど多数の建築物が事例として紹介された。 次に、ジンズホールディングス代表取締役CEOの田中仁さんが登壇。経営者という顔のほかに、前橋市の街の再生者という顔もお持ちで、市のビジョンをつくり、白井屋ホテルに始まるまちの活性化にどう取り組んできたかという話をされた。 最後に三人によるトークセッションがあり、会場の参加者を含めた撮影会を経て、キックオフイベントは終了した。キックオフには、協賛パートナー事業者の方やボランティアスタッフの方もいたので、クラファンによる招待客が誰かわからなかったのだが、撮影会の際に事務局からの「トートバッグをかざしてください」という呼びかけに応じて、多くの方がトートバッグを取り出してかざしていた。その顔はちょっと誇らしげに見えた。
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