政治家写真集が2万部突破の大ヒット 著者が語る、小池百合子の“男前伝説”
また、今回の写真集のために小池氏の自宅で撮りおろした愛犬との写真は印象に強いらしく、「気持ちが本当に安らいで、女性らしい優しい表情になったところを撮ることができました」としみじみ。強さと優しさを併せ持つ小池氏が、必ず日本の女性リーダーになることを確信した取材だったという。
「小池さんは男前」 写真集は著者任せ、NGカット指定は一切なし
「小池さんは、男前なんですよね」 細かいことは、一切言わない。今回の写真集出版についても、タイミングが都議選の時期と重なり、選挙前の人気取りと誤解されかねないリスクがあった。しかし4月下旬、米誌『タイム』の『世界で最も影響力のある100人』に、日本人としてただ一人、小池氏が選出された。この時期に、新リーダーである小池氏について世界中の人々に知って欲しいという願いがあった。さらに、6年前に悪性リンパ腫を患い、新たな治療のために入院を予定していた鴨志田氏の事情もあった。本来なら選挙後の出版が理想的だったが、ひとたび入院すればいつ退院できるか、最悪のケースも考えなければならない。 「小池さんは事情を察したのか、『鴨ちゃんが出すんなら』と、二つ返事で快諾してくれたんですよ。NGカットなどの指定も一切ない。すべてを任せてくれました」 以前、小泉純一郎氏の写真集も出した鴨志田氏だが、「大物は細かいことを気にしない」という。ちなみに、写真集の印税はすべて著者である鴨志田氏に入り、小池氏には一切入らないそうだ。
先の都議選後半では、やや疲れを見せていた小池氏だが、基本的にはいつでも前向きで、弱みを他人には見せないという。時折、ネガティブになってしまう鴨志田氏を見るにつけ小池氏は「鴨ちゃん、もっとポジティブになろうよ」と励ましてくれたという。 「あっ、これこれ。小池さんの“勝負スカーフ”、たしか都議選のときにも身に付けてましたよ」と言って、鴨志田氏が写真集をめくって見せてくれたのは、都知事選の選挙運動時の写真だった。 「縁担ぎ、ですかね。大切にされているスカーフのようです。でも大切にしているわりには、ポンっとその辺に丸めて置いておいちゃうんですね(笑)」と、あまり几帳面ではない一面もあるそうだ。 最近は小池氏の行くところ記者やカメラマンが群がり、「どう撮っても取り巻きや報道陣の姿が入ってしまう。撮影はしにくくなりましたね」と笑う。それでも、「これからも日本を変える女性リーダー、小池さんをずっと追い続けたい」と目を輝かせた。 鴨志田氏は1959年生まれ。大学進学予備校時代に国際障害者年(IYDP)米国大会にボランティア参加し、20代のころは世界各地を探訪した。写真が好きだったわけではなく、マスコミで仕事をするようになってから独学で写真を学んだという。この写真集は小池氏の半生記であり、写真家・鴨志田孝一の集大成でもある。 (取材・文・撮影:志和浩司)