「優しい主人公になれる」自分をサブキャラだと思う人へ、ドラクエ生みの親が送る言葉
5月27日に35周年を迎え、シリーズ最新作の情報も発表された、大人気ゲーム『ドラゴンクエスト』。シリーズの生みの親である堀井雄二氏(67)は、ゲームデザイナーとして35年間、ドラクエの最前線に立ち続けている伝説のクリエイターだ。堀井氏いわく「人生はロールプレイング」。なにかと制限が多く色々な困難がある現実を、堀井氏はどのように「プレイ」しているのか、お話を伺った。(Yahoo!ニュース Voice)
「人生はロールプレイング」で、ちょっと気楽に
1986年の発売以降、シリーズ累計販売・ダウンロード本数8200万本を超える国民的大人気ゲームとなった『ドラゴンクエスト』。「プレイヤーが勇者となって世界を救う」「レベルアップして強くなる」「パーティを組んでみんなで戦う」といった“ロールプレイングゲームの型”を作り上げたのも、堀井氏が率いた制作チームだ。 ――ファンの間で長らく愛されている堀井さんの言葉「人生はロールプレイング」には、どのような想いが込められているのでしょうか。 やっぱり人生って難しい問題が色々あると思うんですけど、「自分自身という役割を演じる(=ロールプレイング)」っていう風に捉えてみると、人生を「ゲームっぽく」考えられると思うんです。それによって、選択肢が増えるかもしれない。一歩引いて、客観的な選択ができるようになるかもしれない。つまり、ちょっと気楽に、色んなことをできるんじゃないかなと思うんです。 ゲームの場合、みんな『敵』を倒すということに燃えていますよね。「敵をやっつけるぞー!」みたいな感じで。でも、人生の『悩み』に対して、同じように「やっつけるぞー!」と思える人って少ない気がするんです。後ろ向きに、ずっと悩み続けてしまう。ここで「人生はロールプレイング」という発想をもって、自分は役割を演じているんだという考え方をしてみると、ゲーム感覚で「どうやって突破していこうかな」と前向きになれる気がします。そういう風に考えてくれたら良いなという思いで、僕はゲームを作ってきました。