「勉強ができる」ことは一番重要ではない。子どもを海外で通用する子に育てたいなら、学力よりも身につけるべき「最大の武器」とは
おしゃべり上手=コミュニケーション力ではない
コミュニケーション力は、大きく2つに分けられます。 1つは言語によるもので、もう1つはマナーや態度、身だしなみ、表情、ジェスチャー、視線の使い方などの非言語によるものです。 その2つをどう組み合わせるかで、相手と信頼関係を構築できたり、より深く相手を理解できたりすることにつながります。 コミュニケーションというと、つい「おしゃべり上手」な人、子どもで言えば「クラスの中心人物」的な人をイメージしてしまいがちですが、実際には違います。もちろん友だちと仲よく話すことができればその瞬間は楽しめますし、相手からもいいイメージを持たれますが、それだけです。 逆に言えば、おとなしい子、大勢の人に囲まれるのが苦手な子でも、自分の考え方をきちんと言葉にできたり、相手にいい印象を与える非言語コミュニケーションを使いこなせたりすれば、世界中どこに行ってもうまくやっていくことができます。子どもの性格はあまり関係ないのです。
これからの時代は、プレゼン力向上も大切な要素
また、子どもの将来のために、プレゼン力を養ってあげたいという人も多いのではないでしょうか。 現在の親世代(おもに30~50代)のなかで「人前で話すのが得意です」と言える人はかなり少ないと思います。その理由は、幼少期から自分の意見を発表する機会が少なかったことと、自己肯定感の低さでしょう。しかし、これからますますグローバル化が進むなかで、子どもたちには、人前で堂々と自分の意見を主張できるスキル、バックグラウンドの違う相手を言葉で説得するスキルなどが求められます。 娘は、幼少期から積み上げていった表現力やプレゼン力のおかげで、アメリカの高校でもディスカッションやディベートに臆することなく挑むことができたようです。 その姿勢は「授業への積極性」の評価にもつながりましたし、まわりの友だちから存在を認められるようになり、ボランティア活動やクラブ活動などさまざまなことに誘われるようになり、世界がどんどん広がっていきました。 最終的にはそれらの活動の経歴や成績、そこで出会った方々から素晴らしい推薦状をいただいたことが、大学進学へつながる成績の加算点になりました。 次回は、子どもたち2人が海外に留学したとき、「教えておいてよかった!」と心底思ったことや、プレゼン力を高めるための具体的な方法についてご紹介します。