北陸で断トツの出生率! 原発が"産みやすさ"を支える町の、光と影【福井県おおい町】
「関電社員が住人として各集落に入り込み、地元住民と交流を深めれば、原発を批判する人は少なくなる。関電が35歳で社員寮の家賃値上げを行なう裏には、そんな狙いもあるのではないでしょうか?」 町内にいる一部の原発反対派住民はそう話すが、当の関電社員たちは、10~20区画の規模の分譲地に固まって居住する傾向もある。例えば、数年前に造成された本郷内のある宅地では、分譲された20軒中、9軒が関電社員の家族世帯。発電所の設備修繕などを担う関電プラントなどの協力会社を含めると半数を超える。 「この分譲地では子供3人の世帯が一番多いですね。それも長男、次男を産み、女の子を望んで3人目を産むパターンが多くて。ウチも今年の夏に3人目を出産しましたが、男の子でした(笑)。4人目? もしかするとありえるかもしれません」(町内に住む関電社員の30代妻) ■"関電の大奥"と呼ばれる会社 「この町に住む年頃の女性は、関電の社員さんと結ばれたいと望む人が多いです」 そう話すのは数年前に関電社員と結婚したおおい町出身の30代主婦。夫は大飯原発に勤務する技術職の社員で、本郷にある新居で2児を育てる。 「私は縁あって結ばれましたが、地元の女性はシビアな目線で婚活する人もいます。関電の社員さんとのご縁がなければ、1次下請けの関電プラントか三菱重工、それがダメなら譲歩して2次下請けの関電パワーテックの社員さんとの出会いを求めるといった形で。3次下請け以下は給与水準が低く、離職率も高まるので公務員にシフトするのが賢明と考える女性が多いです」 関電社員が一番人気なのは、給与が高い点はもちろん、先述したように同社の原子力部門では人事異動が福井県内でほぼ完結するため、「親元から離れる心配がない点も大きな理由」だという。 関電社員と出会いたいならここで働け、といわれる会社がおおい町にある。発電所などに保管される紙文書の電子化業務を主力とする関電の関連会社だ。 社員の主な仕事はデータ入力だが、オフィスに関電の若手社員が頻繁に出入りすることが、地元の女性を強く引きつけている。数年前までこの会社に勤めていた20代の女性がこう明かす。 「大飯・高浜・美浜発電所で働く人の9割近くは男性なので、関電の社員さんも、仕事第一ではあるものの、若い独身女性が多数を占めるこの会社のオフィスに出会いを求めて来社されることが多い。 月1で独身男女の飲み会が開かれ、会社自体に、『早く関電さんに嫁ぎなさい』という考えがあったように感じます。当然、顔がそれなりに良くて、社内ランク(給与)が高い関電さんを巡っては女性同士の争いが激しくなる。それもあって、この会社を"関電の大奥"と呼ぶ人もいます(笑)」 一方、関電社員以外の地元の独身男性の中には、「『年頃の女のコが皆関電に持っていかれる!』と嘆く人もいる」というが、町役場が主催する婚活パーティなどで出会った女性と結婚し、おおい町に定住する流れもある。 ■「子供たちは町の外に出てほしい」