ウクライナ戦争衝撃の結末…ゼレンスキーは核開発を目論んで米新政権に暗殺される?
歴史の教訓
多くの人が思い出すべき歴史上の教訓がある。それは、戦争終結に反対すれば、指導者であっても暗殺されるという出来事である。その昔、米国の支援を受けていた南ベトナムのゴ・ディン・ジエム大統領は殺害された。「1963年11月1日、ジエムと弟のゴ・ディン・ヌーは、サイゴンの路上で、アメリカ製のM-113装甲兵員輸送車のなかで南ベトナム軍将校に殺害された」(The American Establishment, Leonard Silk & Mark Silk, Basic Books, Inc., p. 5, 1980)。ジエム政権は独裁的で一族支配を特徴としていたが、米国政府は同政権を支援していた。 結局、仏教旗の掲揚禁止に反抗したデモ隊を政府側が射殺した後、仏教徒の大規模な抗議行動が起き、米国によって訓練されていたベトナム共和国軍(ARVN)の将校によってジエムは処刑されたのだ。殺害に米政府がどこまで関与していたのかは不明だが、米国が支援した指導者であっても殺されることがある。 何がいいたいかというと、いまはウクライナを軍事支援している米国だが、ゼレンスキーがいつまでも対ロ強硬路線を叫んでみても、いつはしごを外されてしまうかわからないということだ。 彼は、超過激なナショナリストに擦り寄ることで、政権を維持し、ウクライナ戦争を招き寄せたともみなせる人物である。そんな彼が超過激なナショナリストに同調してプルトニウム型核兵器の開発に傾く可能性は捨てきれない。そんなとき、トランプ新大統領はどう対処するのだろうか? 新しく中央情報局(CIA)長官になるジョン・ラトクリフ元国家情報長官は、保守系大手シンクタンクのヘリテージ財団が2016年に発表したランキングによると、国内でもっとも保守的な政治家の一人とみなされていた。おそらくトランプ新大統領のためなら、どんなことにも手を染めるだろう。
塩原 俊彦(評論家)