ウクライナ戦争衝撃の結末…ゼレンスキーは核開発を目論んで米新政権に暗殺される?
因果はめぐる
よく知られているように、1994年、米国政府当局者は、独立したばかりのウクライナの指導者を威圧し、旧ソ連から受け継いだ核兵器(ロシアからの将来の侵略を阻止することが可能であったはずの核兵器)を放棄させた。その見返りとして、いわゆる「ブダペスト覚書」の一部として宣言された、曖昧な「安全保障保証」が与えられることなった。 この「ブダペスト覚書」は、全欧安全保障協力機構(OSCE)が仲介して、旧ソ連圏に残された核兵器の措置について、アメリカ(クリントン大統領)、イギリス(メイジャー首相)、ロシア(エリツィン大統領)3カ国首脳が合意・署名したものだ。米英ロ三国の合意と同時に、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの3国も、それぞれ覚書に調印した。これにより、3カ国に残されていた核兵器が、旧ソ連の後継国ロシアに移転された。 ウクライナには、核兵器がなくなり、それがウクライナ戦争の抑止できなかった要因の一つに数えられている。いわば、この米国主導の「ブダペスト合意」の咎(とが)が、今度は、ウクライナの核兵器不拡散条約(NPT)違反という裏切りを招こうとしていることになる。まさに因果はめぐるのだ。
ウクライナ戦争の和平過程
米大統領選のトランプ勝利によって、ウクライナ戦争をめぐる和平に向けた新たな動きがすでにはじまっている。トランプ新政権である「トランプ2.0」の陣容をみると、副大統領に就任するJ・D・ヴァンスは、9月に、(1)ロシア側は奪った土地を保持し、現在の戦線に沿って非武装地帯を設け、ウクライナ側はロシアの再侵攻を防ぐために厳重に要塞化する。(2)ウクライナの残りの国土は、独立した主権国家として認めるが、ロシアはウクライナから「中立の保証」を得る。(3)ウクライナはNATOに加盟せず、このような同盟機関にも加盟しない――という和平案を明らかにした(9月13日付のNYT)。11月6日付のWSJは、トランプに近い外交政策アドバイザーの提案として、「ウクライナはNATOへの加盟を20年間断念し、米国は武器や兵器のウクライナへの供給をつづけるという選択肢もある」と伝えた。この案には、紛争を凍結し、800マイル(約1300キロメートル)の非武装地帯を作ることも含まれている。 11月7日付のWPは、トランプが同日、プーチンと電話会談し、ウクライナでの戦争について話し合ったと報じている。トランプは大統領選のキャンペーンで、ウクライナでの戦争に即時終止符を打つとのべてきたが、その方法についての詳細は明らかにしなかった。 彼は、ロシアが獲得した領土の一部を保持することを支持すると、内々に示唆しており、「今回の電話会談では、土地に関する問題を一時的に提起した」と、WPは伝えている。