クルスク州のロシア軍部隊が地雷で大損害 車両17両を一気に失う
ロシア西部クルスク州でウクライナ軍の占領する650平方kmほどの突出部を攻撃しているロシア軍は、ウクライナ軍の地雷によって大きな損害を被っている。ウクライナ陸軍のオレクサンドル・パウリューク司令官(中将)は、ロシア軍がクルスク州で新たな反撃を初めて以降、9日間に出した車両の損失の3割は地雷によるものだと報告した。 【画像】ウクライナ軍の地雷で大きな損害を受けるロシア軍 パウリュークによると、ある強襲ではロシア軍は「地雷の爆発だけ」で車両17両を失った。この強襲はロシア軍第810独立親衛海軍歩兵旅団が7日に行って失敗したものかもしれない。 これらの地雷は、第12独立支援連隊をはじめとする陸軍工兵部隊が敷設しているとのことだ。手作業やドローン(無人機)でその任務を行っているとみられるウクライナ軍の工兵部隊は、ちょうどロシア軍の工兵部隊が1年5カ月前、攻撃してくるウクライナ軍に対してやったのと同じことを、クルスク州で攻撃してくるロシア軍に対してやっている。 2023年6月、かねて予想されていた反転攻勢を南部のザポリージャ州などで始めたウクライナ軍が、近年の軍事史上最も稠密な地雷原のひとつに阻まれ、たちまち行き詰まったことを思い出してほしい。ロシア軍はウクライナ軍の反攻を見越して、地雷原の幅を120mから500mへと4倍に広げたうえ、この拡張した地雷原で地雷の密度も高めていた。 クルスク州でのウクライナ軍の地雷作戦は別のアプローチをとっているようだ。ウクライナ軍の工兵部隊は、ロシア軍の指揮官が連日、部隊に対して、過去に撃退されている道路への突撃を繰り返し命じてくれるために、大いに助かっている。 ロシア軍の工兵部隊はウクライナ南部で、道路や野畑を移動してくるウクライナ軍車両を阻止するため広範なエリアに地雷原を敷く必要があった。それに対してウクライナ軍の工兵部隊はクルスク州突出部で、西側の最も重要なエリアにつながる道路数本での地雷敷設に注力できている。ゼリョーヌイ・シュリャフ村付近の道路交差点には、大破したロシア軍車両が何十両も散乱している。