矢部太郎「世界中の歯ブラシ1000本以上を集めて。世界と比べると日本ならではの特徴が…。お国柄を感じるのがコレクションの醍醐味」
漫画家、俳優としての顔も持ち、多彩に活躍しているお笑い芸人の矢部太郎さん。20年ほど前から集めているのは、世界各国の歯ブラシだと言う。歯磨きしている人を見るのも好きだそうで……!?(構成=上田恵子 撮影=本社・武田裕介) 【写真】アフリカなどで入手した「木の枝の歯ブラシ」。繊維はやわらかくて気持ちがいい!? * * * * * * * ◆アフリカで出会ったかわいいおみやげ 今日持参したのは、僕の歯ブラシ・コレクションのごく一部です。普段は、衣装収納ケースのなかにガバッと入れていて、押し入れの片側の下段が、そのケースで埋まるくらいの数があるので、結構な量だと思います。ちゃんと数えたことはないですが、1000本以上はあるんじゃないでしょうか。 集め始めたのは20年ほど前。テレビの仕事でアフリカに行った際、友人知人へのおみやげとして購入したのが最初でした。 アフリカなんてなかなか来られないので何か買って帰ろうと探していたら、すごくかわいい歯ブラシが目について。見たことがない色と柄で、値段も手ごろ。「これいいじゃん!」といっぱい買って帰ったのです。 ところが、帰国後、みんなに配ろうとしたら「日本のと違い過ぎるからいらない」と言われてしまって(笑)。いきなり僕の手元に数十本の歯ブラシが残ってしまったんです。 そのとき、「海外に行くたびに歯ブラシを買ってきたらいい記念になるのでは?」と思いついて、以降はそれが習慣になりました。
当時は海外での仕事が多かったため、あっと言う間にかなりの量になって、そうなると今度は国内の歯ブラシにも興味が湧いて……という感じで、徐々に収集の範囲を広げながら、いまに至ります。 「海外旅行中に必ずドラッグストアに立ち寄る」「現地のスーパーに行くのが好き」という人は多いと思うのですが、僕もそうで、海外で地元の日用品をチェックするのが大好きなんです。 普通の日用雑貨でも日本とはテイストが異なりますし、現地の人たちの日常が垣間見えて、眺めているだけで楽しくなっちゃうんですよね。歯ブラシはどこにでも売っていて、それほど高価なものではないから、集めるのにぴったりのアイテムです。 ときには、僕が歯ブラシを集めていることを知った方から、おみやげとしていただくことも。世界各国のホテルや航空会社のアメニティグッズの歯ブラシはロゴも凝っていて、見ているだけで気分がアガります。 もともとコレクション癖があったわけではないんです。子どもの頃、登山したときに買う、登頂記念のキーホルダーを集めていたくらいでしたね。