【中山金杯】いきなりの〝大一番〟で一発回答 進言通りに距離克服!アルナシームが秘める可能性
[GⅢ中山金杯=2025年1月5日(日曜)中山競馬場、芝内2000メートル(4歳上)] 5日に中山競馬場で行われたGⅢ第74回中山金杯(芝内2000メートル)は、4番人気のアルナシーム(牡6・橋口)がゴール前で抜け出し、年明け最初の関東重賞を勝利で飾った。勝ちタイムは1分58秒1(良)。鞍上の進言を受けて距離を延ばした一戦での鮮やかな勝利。6歳にしてピークを迎えた同馬が、ドウデュースをはじめトップ級が次々引退していった古馬中距離戦線でひと暴れしてくれそうだ。
2025年を占う一戦で見せた真価
「今年1年どんな競馬ができるか、という大事なレース」。藤岡佑がそう口にしたように、陣営はこの中山金杯をアルナシームの今後を占う一戦と位置づけていた。近走はマイルでのレースが続いていたが、今回は2000メートルでの重賞挑戦。鞍上の進言で距離延長に踏み切り、2023年9月ケフェウスS(8着)以来の2000メートル戦出走で見事に勝利を収めた。 1000メートル通過58秒7のよどみないペース。行く馬を行かせ、道中は中団後方。4角までに徐々に外へ誘導しながら前に進出し、直線入り口で追い出しを開始すると一気に先頭へ。昨年の中京記念以来となる2つ目のタイトルを手にした。藤岡佑は「前走にはない手応えで4角を回ってくることができました。抜けるとふわっとするところがあると聞いていて、抜け出して遊ばなきゃいいなと思っていましたが、ノーステッキで抜けて来れたし、最後ステッキを入れてしっかり反応してくれたので『勝ったな』と思いました」と振り返った。 懸念された距離や急坂も難なくこなしての勝利。以前は精神面の幼さを見せていた同馬だが、この日は落ち着きもあり、折り合いもついた。「だいぶパワーアップしましたね。今がピークと言っていいくらい。もともと本当に期待していた馬。体つきも以前とは違いますし、精神的にも大人になりました」。そんな橋口調教師の言葉に6歳を迎えての充実ぶりがうかがえる。 心身ともに成長したアルナシームが狙うのはGⅠの大舞台だ。指揮官は「この距離であれだけ強い勝ち方。もっと大きいレースが目標になってくる。どこか1戦挟んでGⅠ大阪杯(4月6日=阪神芝内2000メートル)になると思います」と狙いを定めた。初笑いを決めたアルナシーム。中距離戦で花開くであろう2025年は飛躍の一年となりそうだ。
東スポ競馬編集部