終活で捨てた“不用品”が「相続トラブル」を招くことも…家族を悲しませない「生前整理」の最善策【相続・終活コンサルタントが解説】
年を重ねるにつれ、頭をもたげる「相続」「終活」のこと。家族に迷惑をかけないよう、生前整理をはじめている人もいるでしょう。しかし、その“不用品の処分”がきっかけで「相続トラブル」に発展することも……。そこで、行政書士/相続・終活コンサルタントの明石久美氏の著書『1000人の「そこが知りたい!」を集めました 人に迷惑をかけない終活』(オレンジページ)より、「生前整理」の具体的な方法やコツをみていきます。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編>
生前整理はまず「捨てるもの」と「売れそうなもの」に分ける
ものが多ければ多いほど片づける人にとって負担になります。今のうちから身軽にしておくことは大切です。まずは、 (1)すぐに廃棄してしまっていいもの (2)売るかどうか見極めるもの の2つに分けてみましょう。 不用品回収業者は楽ちんだが、「業者選び」に注意 (1)は日用品や雑貨、壊れた家財など使っていないものや不要なものです。廃棄方法は自治体による回収か、不用品回収業者※に依頼をするかのどちらかを選びます。 ※ 不用品回収業者……不用品の回収サービスを行う民間企業のこと。トラックの大きさで料金が決まる場合が多い。軽トラックの場合、1万円前後~2トントラックなら6万円~がおおよその相場。※業者やプランで大きく変わる 自治体による回収は市区町村が指定するルールにのっとって不用品を分別し、指定の日時に合わせて回収場所まで自分で運ばなくてはいけません。手間がかかりますが、そのぶん無料か、安く回収してもらえます。 楽なのは不用品回収業者に回収をお願いすることです。格安に回収する事業者が宣伝をしています。しかし近年、事前の説明と違い高額な料金を取られるなどのトラブルが目立ち、国民生活センターや消費生活センターも注意を呼びかけています。不用品を適切な処理方法で廃棄しない業者もあるようです。事業者を選ぶ際は市区町村から委託を受けているか、「一般廃棄物処理業の許可」を取得しているかを目安にしましょう。 服や本、DVDなどは「リサイクルショップ」へ (2)は溜まりがちな服・本・CD・DVDなど。専門のリサイクルショップ(リユースショップ)へ持ち込みましょう。その場で買い取りをしてくれます。値段がつかないようなものでも無料で引き取ってくれるので手軽に手放すことができます。 リサイクルショップは下に挙げたようにさまざまな専門店があります。なんでも買い取ってくれるお店よりも専門店のほうが知識があり、ニーズも把握しているため価値あるものを高く買い取ってくれる傾向があります。 ●ファッション(古着、着物) ●スポーツ用品(スキー、ゴルフなど) ●ブランド品(時計、バッグ) ●本・食器・台所用品、アンティーク、家具、家電