マイナ保険証で何が便利になる?「医療費控除の申告は簡単になるが高齢者にはハードルも」注意ポイントをFPが解説
「マイナポータル連携」で医療費の通知を自動取得できる
マイナンバーカードを持っている、またはマイナンバーカードを既にマイナ保険証として活用している場合、政府が運用するオンラインサイト「マイナポータル」を通じて、行政手続きや自分の情報の確認ができるようになります。 さらに、マイナポータルと国税庁の確定申告(e-Tax)を連携させる「マイナポータル連携」を使うことで、確定申告や医療費控除に必要な情報を取得でき、申告書にも自動で情報が入力されるようになります。 マイナポータル連携よる確定申告の流れ Step1 マイナポータルにログイン後トップページから、確定申告メニューを選択する Step2 確定申告の事前準備をはじめる Step3 取得したい証明書等を選択する Step4 連携状況リストで外部サイトの連携状態を確認する Step5 証明書等発行サイトと連携する Step6 e-Taxで確定申告をはじめる ■やり方はこちらをチェックマイナポータル/確定申告の事前準備 ※国税庁/マイナポータルと連携した所得税確定申告手続 なお、医療費通知情報は、令和3年9月診療分から確認でき、毎月11日には前々月診療分が更新されています。1年間分の医療費通知情報は、原則2月9日に、申告年分の1月から12月分までの情報を一括取得できます。 今年の確定申告の期限は、2025年2月17日(月)から2025年3月17日(月)まで。過去5年分まで遡って申告することができるので、これを機に確認してみるといいでしょう。 ※マイナポータル/医療費通知情報の更新日について教えてください
マイナ保険証による医療費控除の注意点
マイナポータル連携により、確定申告の医療費控除の手間は省けますが、留意点として次のようなものがあります。 すべての医療費を網羅していない 医療費通知情報の取得対象は、医療機関等で受診した場合であり、ドラックストアで購入した薬の費用は対象外です。また、医療費控除の対象となる通院の際の交通費や入院時の食事代なども取得対象にはなりません。取得した情報に、自分で付け加えて入力する必要があります。 ※マイナポータル/マイナポータルの医療費通知情報に含まれない費用は、どのようなものがありますか。 家族が行う場合は代理人の設定が必要 医療費控除は、納税者が、扶養に関係なく生計を一にする親族のために医療費を支払った場合、家族分まとめて医療費控除の適用を受けることができますが、事前にマイナポータルで代理人の設定を行う必要があります。 また、家族の方もマイナンバーカードを取得している必要があります。 ※国税庁/No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除) 領収書の保管(5年)は引き続き必要 医療費通知情報をマイナポータルのWEB画面またはPDFを印刷・ダウンロードしたものは原本ではないため、医療費の領収書は5年間保存する必要があります。 ※国税庁/No.1119医療費控除に関する手続について(Q14)