知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
シボレー
有名な「蝶ネクタイ(ボウタイ)」のエンブレムは、同社が設立されてから2年後に導入された。これはルイ・シボレー氏が地元の新聞の広告で目にした、石炭会社コーレッツのデザインにインスピレーションを得たものとされている。
クライスラー
1924年発売のクライスラー・シックスで、中央にメダル状の飾りをあしらったシルバーの翼のエンブレムが初めて使用された。初期のチーフデザイナーであるオリバー・クラーク氏が、翼のついたラジエーターの装飾と、古いトランプで使用されていた封蝋(シーリングワックス)を思わせるデザインを考案した。クルマの品質の高さを象徴するものである。 1940年代には、中央に5つの星をあしらった紋章に変更され、有名な「ペンタスター」となったが、その後、オリジナルに近いデザインに戻された。封蝋はもう見られないが、伸びやかな銀翼は残っている。
シトロエン
1901年、創業者アンドレ・シトロエン氏はポーランドを訪れ、そこで二重らせん状のヘリカルギアの特許を購入した(歯車製造が同氏の本来の事業であった)。2つの山型は、この噛み合う歯車を象徴している。 2022年、シトロエンはEV時代に向けて、1919年のオリジナルを再解釈した新しいエンブレムを採用した。
ダッジ
ダッジは長年、長い角を持つ雄羊の頭をシンボルとしてきた。この雄羊は「ラム」と呼ばれ、ステランティスの商用車ブランド名(RAM)にもなっている。これにより、ダッジは独立した際に、ラムに頭と角を奪われた。現在のエンブレムは、よりシンプルでエレガントなものとなり、2本の赤いストライプは情熱とエモーションを象徴している。少なくとも、ステランティスはそう言っている。
フェラーリ
ロゴの上部にはイタリア国旗が描かれている。その下にはモデナのシンボルカラーである黄色の盾があり、スクーデリア・フェラーリの頭文字「SF」と、左向きに跳ねる黒馬が描かれている。この馬はもともと、第一次世界大戦の戦闘機エースパイロットであるフランチェスコ・バラッカ氏の愛機に描かれていたものだ。エンツォ・フェラーリ氏がバラッカ氏の母親に会ったとき、この馬をクルマに使うようにとの申し出を受け、エンブレムに採用した。 バラッカ氏は、大戦中に撃墜したドイツ軍機から馬の紋章を取ったと考えられている。それはシュトゥットガルトの紋章であり、フェラーリの馬はポルシェのエンブレムの馬と同じであるというのが一般的な説だ。