知れば知るほど面白い 自動車メーカーのエンブレムの意味 54選 前編
BMW
社名はドイツ語の「バイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke)」の頭文字で、バイエルン州のエンジン工場という意味だ。外側の黒い円はBMWの前身であるラップ社のエンブレムに由来し、青と白の市松模様の円はバイエルン州旗を表している。 2020年、BMWはデザインを変更し、よりオープンで親しみやすいブランドになるという想いを込め、白を基調としたシンプルなエンブレムとした。これは主に、ITに精通した若い顧客を惹きつけることを目的としている。 しかし、実際に街中を走るクルマでは、エンブレムはそれほど変更されていない。青色の縁取りは、電動モデルであることを意味している。
ボルクヴァルト
19世紀末に創業したボルクヴァルトは、1960年代に生産活動を停止したが、21世紀になって創業者の孫にあたるクリスチャン・ボルクヴァルト氏によって再建された。エンブレムは赤と白の三角形で構成されたダイヤモンド型で、創業地であるドイツの都市ブレーメンの旗を模したものとなっている。 しかし、中国市場での事業展開は数年しか続かず、現在では再び休眠状態にある。
ブガッティ
楕円形の内側のモチーフは、ブランド創設者であるエットーレ・ブガッティ氏のイニシャルを表している。赤い楕円の縁に並ぶ60個の点は、ブランドの偉大さを示す真珠であるという説と、ガスケットレス・エンジンのネジが緩まないようにブガッティが使用していた安全ケーブルであるという説という、相反する2つの説明がある。これはエットーレ氏自身にしかわからない謎だ。
ビュイック
ビュイックの初期のエンブレムは、社名を優雅に表記したものだった。しかし、創設者デビッド・ビュイック氏(スコットランド出身)の家系の紋章が3つの盾で構成されていることが調査で判明したため、それを称えるためにエンブレムが変更され、今日我々が知るデザインとなった。
キャデラック
この名称は、デトロイトの町を創設したフランスの探検家、アントワーヌ・ド・ラ・モス・キャデラック氏に由来する。複雑なエンブレムは、同氏が昔の隣人であるラモット・バルディグ男爵の本物の盾を基にして、自ら作った紋章から来ている。当初、キャデラックのエンブレムには6つのマーレット(紋章学における脚のない架空の鳥)が描かれていたが、2000年に金色のクオーターに黒の横縞が入ったデザインに変更された。 2021年にはEVへの移行を見据え、単色の新しいエンブレムを発表したが、クルマに付いているのは馴染みあるカラフルなものだ。