併せ馬を重ねて念入りに調整 ダノンフィーゴの走りに期待/関西馬メイクデビュー情報
いよいよ夏開催もフィナーレ。その締めくくりとなる2歳重賞が札幌2歳Sと小倉2歳S。どちらも出走頭数が少ない年が多い印象だが、今年に関してはしっかりと出走頭数が揃ってきそう。出走頭数が揃った時の札幌2歳Sは2020年1着ソダシが阪神JFと桜花賞を優勝し、2着ユーバーレーベンがオークスを制覇。3着バスラットレオンは海外重賞で勝利を挙げるなど、北の大地から大舞台で結果を出した馬が多数いる。 今年の小倉2歳Sは中京芝1200mで施行。距離の全く違う2重賞ではあるが、秋以降の重賞戦線を賑わしてくれる存在になるかどうか。注目のレースであることは間違いない。 【8月31日(土) 中京芝2000m】 ◆サマーナイト(牡、父ルーラーシップ、母ガールオンファイア、栗東・寺島良厩舎) 母系には2017年日本ダービーを勝ったレイデオロ(父キングカメハメハ)がいる血統。2023年セレクトセール1歳にて、5200万円(税抜き)で落札されている。 本馬は5月25日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験合格後に一旦放牧。8月に栗東へ戻ってきてから、デビューへ向けて本格的な追い切りを開始しているが、動きが目立ったのは8月22日。朝一番のCWで和田竜二騎手(レースでも騎乗予定)が跨る併せ馬だったが、古馬3勝クラスのベンダバリラビアを追走して、並ぶ間もなく抜き去って大差先着。6F86.1秒と全体時計は遅かったが、ラスト1Fは11.3秒。低い重心で鋭い伸びを見せた。追い切り本数が多いわけではないが、これだけ動けば、実戦が楽しみといった走り。 【8月31日(土) 中京ダート1400m】 ◆ダノンフィーゴ(牡、父Into Mischief、母オリーズキャンディ、栗東・友道康夫厩舎) 母は現役時代にクレメントL.ハーシュSでダートG1を制している。日本で活躍するInto Mischief産駒は先日のNST賞を勝ったメタマックスなどがいる。 本馬は4月16日にグリーンウッドから栗東へ入厩。ゲート試験合格後に一旦放牧に出て、6月7日に栗東へ再入厩したが、この時はもう少し様子を見た方がよいということで成長を促す意味で放牧。そして、今回が3度目の栗東入厩となったが、追い切りはしっかりと積み重ねられている。CWで3頭併せを行うと「真ん中で気を使っているみたい」と友道康夫調教師。動きは目立たないが、時計は十分なものが出ているし、両サイドに馬を置く追い切りを重ねたことで実戦の効果に期待したい。鞍上は坂井瑠星騎手が予定されている。 ◆ブルックリンダンス(牡、父ルヴァンスレーヴ、母サダムグランジュテ、栗東・田中克典厩舎) 半兄に今年の平城京Sでオープン勝ちのロコポルティ(父ヘニーヒューズ)がいる。父ルヴァンスレーヴの初年度産駒で、父が活躍したダートでのデビューとなる。 7月3日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。7月11日にはゲート試験を合格していて「素直で扱いやすい馬ですよ」と田中克典調教師。しがらきへ戻って調整して、8月7日に再入厩。同師は「ここまで前向きに調教に取り組むことができています」ということで追い切りを順調に消化。レースでも騎乗予定の亀田温心騎手が跨って、CWでの1週前追い切りでは6F84.4秒をマークしている。 ◆タケルハーロック(牡、父ナダル、母ヒシアルコル、栗東・高柳大輔厩舎) 母系にはアドマイヤムーン(父エンドスウィープ)、エフフォーリア(父エピファネイア)、ヒシアマゾン(父Theatrical)、スリープレスナイト(父クロフネ)といったGIホースが名を連ねている。 8月14日の坂路ではまずまずという動きだったが、8月21日のCW。レースでも騎乗予定の松山弘平騎手が跨って、古馬OPテーオーサンドニ、古馬3勝クラスのカズプレストという格上が相手の3頭併せを行ったが、テーオーサンドニとは互角、カズプレストには先着という動きを見せた。3F36.9秒、1F11.1秒とラスト3Fの時計が非常に優秀なので、終いがしっかりしているタイプかも知れない。 (取材・文:井内利彰)