AirPods 4のノイズキャンセリング搭載モデル。

「AirPods 4」のノイズキャンセル搭載モデルを発売日に入手して3週間。 ラインナップ的には廉価モデルという位置付けのため、どれくらいのノイズキャンセル性能があるのか？ 音質は？という興味本位で使い始めた。それが実は今、通勤や仕事のミーティングなど含めて、AirPods 4をメインで使うようになってしまった。 【全画像をみる】「AirPods 4」を3週間使ったら、AirPods Pro 2を全く使わなくなった話 AirPodsシリーズは基本的に全て使っていて、手元には初代AirPods Pro、AirPods Pro 2、AirPods、そして今回登場した「AirPods 4」まである。 割としっかりAirPodsシリーズを使ってきた人目線で、なぜAirPods 4ばかり使うようになってしまったのか、製品レビューの形でまとめてみたい。

装着感、ノイズキャンセル性能、音質の意外性

現行のワイヤレスイヤホン型AirPodsシリーズのラインナップは、「AirPods Pro 2」（3万9800円）を最上位として、AirPods 4ノイズキャンセリング搭載モデルは普及機的な価格設定になっている。 最下位モデルには、ノイズキャンセリング機能のない素のAirPods 4もあるが、今回はこの機種には触れない（なので、この記事では便宜上、AirPods 4ノイズキャンセリング搭載モデルを単に「AirPods 4」と呼ぶ）。 週の半分以上は地下鉄での通勤や打ち合わせなどの電車移動があるため、ノイズキャンセリングイヤホンは僕にとって必需品だ。 まず最初に注目したのは、Pro 2ほどの遮音性が期待できない構造（耳に載せるだけ）でありながら、どれほどしっかりしたノイズキャンセル性能があるのか……というぶぶん。率直なところ、やや意地悪な評価軸で使い始めたわけだ。 地下鉄や移動中の徒歩移動を前提に、「装着感」「ノイズキャンセル性能」「音質」の3点で評価してみると、3週間使った評価は次のようなものだった。 装着感：前機種の一番安価なタイプの「AirPods」との比較では、装着感はかなり改善されている。 AirPodsはまさに耳の穴に「載せるだけ」という感覚で、耳への圧迫感ゼロな代わりに遮音性もゼロ。耳に引っかかるところがほぼない形状のため、人によっては歩くと耳から落ちるという人もいた。 一方AirPods 4は、形状が微妙に変わって、耳穴に微妙に密着して引っかかるようになった。アップルは数千の耳の形を使って適切な形状を分析したと公表しているが、その「改善」は上手くいっているように思う。 少なくとも自分の耳では落下しそうな感覚は皆無になった（ただし、前機種のAirPodsに比べて微妙な圧迫感はある） ノイズキャンセル性能：良い意味での誤算だったのはこの部分。耳の穴に耳栓を突っ込む形のPro 2と違って、AirPods 4は遮蔽物がほとんどない。この状態でノイズキャンセル機能を付けても効果は弱いのででは……と想像していたのだが、現実には全くそんなことはなかった。 実際、地下鉄の騒音は全く気にならないレベルまで「消音」される。構造的に、Pro 2の方が騒音はより消えるものの、「耳に異物を入れている」という圧迫感とのトレードオフだ。体験の良さとしては一概にPro 2の方が上、とも言えない。 後述する音質の好みもあって、通勤使用でもあえてPro 2を選ぼうか、とは思わなくなったというのがこの3週間の変化だったりする。 音質：音質については、「上位モデルだから良い」「普及モデルだから音質がやや落ちる」といったようなヒエラルキーはほとんどない。ただ、音の性格は結構違う。 Pro 2は「耳栓をする」という構造のため遮音性が高く、低音もAirPodsに比べて比較的豊かに出る。 一方AirPods 4は、開放型のためか、中高音の歯切れがよく、軽快さがある。これは前機種のAirPodsの美点とほぼ同じだ。