【検証】大谷翔平はなぜ「二塁ランナー」がいると打てなくなるのか? 最強バッターの"癖"を解明!
■「打者・大谷」はまだまだ未完成 そうはいっても、9回裏2死満塁のような場面が頻繁に訪れるわけではない。普段から走者二塁の場面で結果を残すためには、どのような対応策が考えられるだろうか? 「ロバーツ監督も『本塁打でなく、外野フライでいい』とよく言及しているように、常に力ずくで相手を打ちのめしてやろうとしなくていい。得点圏では反対方向への打球やチョコンと軽打でもOK、という気持ちを持てると得点圏打率も上がってくると思います。 本来、力みすぎず、ひらりとかわすようなプレーもできるのが大谷のはず。昨年のWBCでセーフティバントを決め、サヨナラを狙う場面でも二塁打でチャンスメークし、チームを鼓舞した男なのですから」 今季このまま得点圏の成績が低調でも、それを乗り越えた来季以降の大谷に注目したい、とお股ニキ氏は語る。 「野球選手としての本質はあくまでも投手だと思います。2年連続で本塁打王獲得に迫っている選手に対しておかしな表現かもしれませんが、十分成熟している『投手・大谷』に比べて、『打者・大谷』はまだまだ粗く未完成で伸びしろだらけなんです。 そして、周囲から『できない』『無理だ』と言われるほど、何がなんでも克服しようとするのが大谷です。今は苦手なカッターや得点圏での打撃も、オフシーズンであっという間に克服し、今以上に手がつけられない打者に成長する可能性は十分あります」 来季を待たずとも、今季で挽回する可能性もある。昨季までと違い、今季の大谷にはポストシーズンの戦いがまだ控えているからだ。 「ポストシーズンではレベルの高い投手との対戦が増えるだけでなく、相手は短期決戦特有の『勝つための配球』を徹底してくるので、今季の大谷スタイルではやや不安が大きいのは確か。 しかし、日本ハム時代の2016年にはチームを日本一へと導き、昨年のWBCでも世界一に輝くなど、大谷は『勝つための野球』ができる選手です。自身初となるポストシーズンで大暴れしてほしいですね」 ワールドシリーズを制覇するため、ドジャースに移籍した大谷。その真価が今こそ問われている。 文/オグマナオト 写真/時事通信社