井岡一翔リベンジに燃える「再戦すれば勝てる」家族との時間をパワーに13度目の大みそか決戦
ボクシング元世界4階級制覇王者でWBA世界スーパーフライ級6位の井岡一翔(35=志成)が家族との時間をパワーに変え、大みそか決戦に挑む。31日に開催される東京・大田区総合体育館で同級王者フェルナンド・マルティネス(33=アルゼンチン)とのダイレクトリマッチを控え、14日には都内のジムで練習を公開。通常の米国合宿を組まず「家族タイム」でオンとオフを切り替え、13度目の大みそか決戦でリベンジを成功させる構えだ。 ◇ ◇ ◇ 所属ジムでの公開練習で、井岡が恒例のシャドーボクシングを披露した。集中力を研ぎ澄ませた鋭いパンチには力強さもアップ。7月7日にWBA、IBF世界スーパーフライ級王座統一戦で判定負けを喫したマルティネスへのリベンジ魂が燃えており「今、つくり上げている戦い方で再戦すれば勝てる」と口にした。 世界戦前に米ラスベガスで実戦練習を重ねる調整が通常だが、今回は国内調整に切り替えた。井岡は「何より家族といられる時間は一番大きい。妻と結婚し、子供ができた。自分の中でその生活が大きい部分。ラスベガスはボクシングに集中できるが、練習から帰宅し、家族の時間は自分の力になる」と強調した。 恵美夫人による食事で減量していることも大きい。長男磨永翔(まなと)くん(5)、次男大空翔(たくと)くん(1)との触れ合いを通じ「僕自身、気持ちだったり繊細になっている部分とか、神経が高ぶっているところがある。子供なりに感じ、リラックスさせてくれる。子供中心でなるべく自然体でいたい」とサポートに感謝した。 師事するキューバ人名伯楽のイスマエル・サラス・トレーナー(67)も異例の来日。約1カ月間、招へいしたメキシコ人パートナー2人らと拳を合わせ、総スパーリング数も計90ラウンドに到達した。井岡は「苦悩と葛藤の中、多くの方にサポートをもらいながら、自分自身にも打ち勝ち、良い状態」と静かに闘志を燃やしていた。【藤中栄二】