両親を「自宅」で介護していますが、金銭的に苦しくなってきました。「介護サービス」を利用するとどれくらいの費用がかかりますか?
両親に介護が必要になってくると、どのような介護サービスが利用できるのか気になる方も少なくないでしょう。 本記事では、介護費用を、自分で介護する場合と介護サービスを利用する場合とに分けて比較しています。また、介護の精神的負担について触れながら、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
両親の介護を自分でする場合の費用
介護の費用を考えたときに、施設利用の方が、お金がかかるイメージがあるかもしれません。しかし、在宅で介護をする場合でも、通所利用などの金銭的な負担が同様に発生する場合があります。介護の費用は公的な介護保険サービスを利用した平均額であるため、介護の必要性を感じてきたタイミングで要介護認定の申請手続きを済ませておきましょう。 では、もしも施設入所を利用せず、自分で介護をした場合にはどのくらいの費用が必要なのでしょうか。 公益財団法人家計経済研究所が実施している「在宅介護のお金と負担2016年調査」によれば、平均月5万円とのことです。この金額は、通所や訪問などの介護サービスを利用する費用と、おむつなどのサービス以外の金額を合わせた平均額となっています。 月5万円で年間の介護費用を計算すると「5万円×12ヶ月=年間60万円」になる計算です。そのほかに、在宅で介護をするために居宅のバリアフリー改築を行い、介護用ベッドなどの設備を準備することを考慮に入れておきましょう。
介護サービスを利用する場合の費用
施設入所など介護サービスを利用する場合はどのくらいの費用がかかるのでしょうか。 施設を利用する場合、施設によっても金額は異なります。入所のために介護サービスを利用する場合の費用は、介護の必要性に応じて認定された「要介護認定区分」7段階で決まります。厚生労働省の「サービスにかかる利用料」を参考に、居宅サービスの1ヶ月あたりの利用限度額を段階ごとに表にまとめたものが表1です。 表1
※厚生労働省「サービスにかかる利用料」を基に筆者作成 認定区分ごとに決められた限度額の範囲内でサービスを利用した場合、自己負担は1割です。一定以上の所得がある方は、2割または3割を自己負担する必要があります。設定された限度額を超えてサービスを利用すると、限度額を超えた分を全額自己負担しなければなりません。