パートナーが妊娠したら「自身の母子手帳を確認して」現役産婦人科医が勧める理由
妊婦健診ではなかなか聞きたくても聞けない話から、お医者さん側の本音まで。現役産婦人科医・遠藤 周一郎先生がわかりやすく解説します! 妊娠~出産~産後の不安&疑問をどこよりも丁寧に解説した妊娠・出産ガイド『はじめてでもよくわかる 知っておきたい妊娠と出産安心BOOK』。 「産後うつ」と「マタニティブルー」は全くの別物!現役産婦人科医が教える、乗り切り方 無痛(和痛)分娩の話や高齢出産について、卵子凍結の話などの最新情報や、ぜひ男性に読んでほしいパパ向けの内容も収録。今回はその中から「妊婦さんのパートナーにしてほしいこと」についてご紹介します。
パートナーの予防接種のすすめ
妊婦さんのパートナーとして、自分にできることはなんだろう? 責任感の強い男性ほど、なかなか有効なお手伝いができずに悶々としてしまうかもしれません。そんなあなたにぜひ協力していただきたいのが、予防接種です。 インフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、さらに風疹や麻疹など、世の中にはさまざまな感染症が存在します。いずれも妊婦がかかってしまうと、流産や死産の確率が増加したり、感染症そのものの重症化率も高くなる傾向にあります。さらに風疹に関しては、胎児への障がいを引き起こす可能性のある怖い病気です。これらの疾患は、予防接種によって感染率や重症化率を下げることができます。 まさに、感染症に対抗するための人類の叡智が予種なのです。予防接種はリスクをゼロにすることはできませんが、パートナーさんは積極的に予防接種をして、家庭内にウイルスを持ち込むリスクを減らしましょう。 特に風疹や麻疹については、生涯で2回の予防接種が必要なのです。しかし我が国では予防接種システムの整備が遅れたため、2000年以前に生まれた方は1回、もしくは予防接種を受けていない方もいるかもしれません。自身の母子手帳を確認して、接種回数に不足がある場合は、ぜひ接種をしてください。また妊娠女性と同居するパートナー向けに、抗体検査や予防接種費用の助成を行っている自治体も多くあります。それらの情報を、ぜひ確認してみてくださいね。