初代ホンダ CR-Xはどこまでもカッコ良く乗って楽しいクルマだった!
もし、そんなレストアをしたら、40年前に生まれたCR-Xにどんな輝きと存在感が与えられるか。きっと素晴らしい結果が引き出せるはず、、、僕はそう思っている。 初代CR-Xをホンダは「デュエットクルーザー」とも呼び、デートカーとしての魅力もアピールしていた。たしかに、デートカーとしてもピッタリだった。 ただし、大きく贅沢なクルマを好むような女性には当然ながら好まれなかった。これは仕方がない。でも、明るく楽しく活動的、、そんな女性たちには、好かれ喜ばれた。 息子がCR-Xでモテたかどうかは知らないが、当時の息子は、そんなことより、CR-Xの運転しての楽しさにかなり取り憑かれていたようだった。 2代目CR-Xは一回り大きくなり、低くワイドになり、重量も増えた。初代より大人っぽくなり、デザインも、乗り味走り味もより幅広い人たちウケするようなクルマになった。
続く3代目はスイッチ操作でルーフを開閉できるオープントップが特徴で、それなりに注目は浴びた。だが、販売台数は伸びず、CR-Xはここで幕を閉じることになった。 もし、コンパクトで、シンプルで、走りが楽しい、、といった、初代モデルの特徴と魅力を、しっかり受け継いで進化していったら、CR-Xにはもっと別の未来があったのではないか、、僕にはそう思えてならない。 息子のCR-Xは初代初期型の「1,5i」で、パワー的には「もっとほしい!」とも思ったが、それでもかなり楽しませてくれた。 でも、2200mmの短いホイールベース、800kgの軽い重量、そして運動性を重視したサスペンションセッティングの組み合わせがもたらす、軽快で切れ味鋭い身のこなしは、さらに楽しさを加速してくれた。 軽快とかシャープといった形容を超えた、「スリリング!」といった形容の方が馴染む⁉、、、そんな味付けだった。
上記のように1,5iのCR-Xは、 十分楽しませてくれた。だが、慣れるに従って「もうちょっと速く走りたいなぁ~!」となってきた。 これを言い出したのは息子ではなく僕の方。でも、息子にしても、賛成はしても反対するはずはない。 で、僕は仲のいい、ホンダのエンジニアA氏に相談したのだが、さすがホンダ!。 間髪入れずに、「いいですよ! 栃木でお預かりします。楽しみにしていてください!」との返事が返ってきた。 栃木とは、いうまでもなく、ホンダ技術開発の中枢の地、栃木研究所のこと。ホンダファンにとっては聖地とも言えるような場所だ。 そんなところで、1個人のクルマのチューニングをしてくれる、、、今では考えられないことだが、当時はまだ、のんびりした時代だったということなのだろう。 で、栃木から帰ってきたCR-Xがどんな変化をしていたのかというと、、いちばん先に気づいたのは「滑らかさ」だった。