丸亀製麺の勝ち続ける戦略とは? MMMを採用して感性をデータで測り、マーケティングの勝率を高める!
「感性とデータサイエンスの両立」も、大きなテーマだ。データだけを追い求めていては、感動を創りづらい。かといって感性だけに頼っては、施策の成功率が低くなりがちだ。そこで、本来なら背反する2つの概念を、いかに組み合わせて効率的に動かせるかを追求している。さらに、「短期の成長だけでなく、中長期での成長」も意識しているという。
┌────────── 私が常に意識しているのは、“ずっと勝ち続けられるようにしたい”ということです。持続的に成長し続けたい。凸凹ではなくずっと右肩上がりを目指したい。そのためには、自社の事業とマーケティング構造をしっかり理解する必要があると思っています(間部氏) └──────────
丸亀製麺のマーケターが考えていること
マーケティング戦略としては、主に、「新たな市場を創造する」と「選ばれる必然をつくる」の2つを考えているという。たとえば「丸亀シェイクうどん」「丸亀うどーなつ」などは、「新たな市場を創造する」商品だ。 ■ 選ばれる必然をつくる では、「選ばれる必然をつくる」ためには、どのようなことを行っているのだろうか。 そもそも論として、外食産業は非常に競合が多い。そのため、消費者が店選びをする際に「丸亀製麺」を思い浮かべてもらうことが大事になる。いわゆる「エボークトセット(想起集団)」の理念だ。
┌────────── お客さまが思い浮かべる選択肢の1つに丸亀製麺があり、さらに思い浮かべていただける回数が少しでも増えれば、ご来店いただく確率が増えるはずです。できるだけ選択肢の一番手(第一想起)になるようにしたいと思います(間部氏) └──────────
人間の右脳・左脳を意識したアプローチもとっている。一般的に左脳は理性的、右脳は直感的な行動を司るとされる。たとえば「すべての店で粉からうどんをつくる」「職人の手づくり」などは左脳・理性へのアプローチで、選ばれるための“認識(パーセプション)”を醸成することにつながる。 対して、お店の雰囲気作りなどを通じて「美味しそう」「ワクワクする」と感じてもらうように工夫することは、右脳・直観へのアプローチにあたり、丸亀製麺を選ぶ“衝動”を創ることになる。