障がいを持つ娘のため、3年間は主夫だったCCCの新社長 カリスマ創業者から後継指名され、「無報酬」を求めた覚悟
◆大切な会社と仲間たちのために
――事業の立て直しを迫られるタイミングでの事業承継は、苦労も多いかと思います。オーナーでない限り、大役のメリットが少ないと思いますが、それでも引き受けたのはなぜでしょうか? まずは、お金のためにこの道を選んだわけではないということです。 お金がほしいなら、自分でコンサルティング会社でもやったほうが楽に儲けられます(笑)。 なぜ引き受けたのかと問われたら、「使命感」からでしょう。 CCCは好きで入った会社ですし、私が採用に関わった社員がたくさんいます。 加盟店や取引先の方々も、仲間同然という関係性でこれまでやってきました。 その会社が今、ビジネスモデルを見直すべき局面に立っている。 ポイント事業も競合が次々に現れ、プレゼンスが下がってきている。 自分にとって大事な人たちが働く大切な会社が節目を迎えているなかで、私にその役目がまわってきた以上、全力で役に立ちたいという思いだけです。 私も50代になり、残り少ない人生の時間を何に使うかと考えるようになりました。 そのような思いの中で選んだのがこの仕事です。 悔いの残らないよう、全力でやり遂げたいと思っています。
■プロフィール
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 代表取締役社長兼CEO 髙橋 誉則 氏 1973年6月25日、東京都生まれ。1997年大東文化大学卒業後、CCC入社。2005年、FC人事グループリーダーとなり、翌年CCCキャスティング代表取締役社長に就任。CCC執行役員、TSUTAYA常務取締役、同社顧問などを歴任。2018年から3年間、家庭の事情で主夫生活を送る。2021年、オープンデータで社会の活性化を目指す株式会社Catalyst・Data・Partnersの代表取締役に就任。2022年CCC代表取締役副社長 兼 COO、2023年CCC代表取締役社長 兼 COOを経て、2024年CCC代表取締役社長 兼 CEOに就任。現在に至る。
取材・文/大島七々三