「銅」を狙う窃盗事件が急増 背景に脱炭素!?【WBSクロス】
WBSクロス、今回のテーマは狙われる「銅」です。栃木・足利市の神社で5月28日、屋根に使われていた銅の板、約270枚が盗まれたことが明らかになりました。400万円相当の被害になるといいます。いま、このような「銅」などを狙う窃盗事件が急増していて、去年は全国で1万6200件超と前の年に比べて6000件近く増えました。さらに、特定の場所が集中的に狙われているといいます。現場を取材しました。 千葉県香取市。訪ねたのは田んぼの中に広がる太陽光発電所です。今年4月、この発電所の一角が被害の現場になりました。 「カバーの中に銅線が入っていたが、配管を切られて銅線も切られた。あちらの電線も切り、両方の電線を切ったところで引っ張り出した」(太陽光発電所を運営するスマートパワーシステムの井口茂雄さん) 太陽光パネルの下にある集電盤。ここから電柱まで伸びる15メートルほどの地中に埋まった銅線が盗まれたのです。被害はこの1カ所だけではなく、発電所内で6カ所におよび、盗まれた銅線の被害額は約150万円に上るといいます。 「去年も(銅線窃盗)をやられて復旧して、それで再度やられた。正確にいうと3回目」(井口さん)
銅線を盗まれる被害は、この2年半で3回。過去の被害から防犯カメラを設置したところ、今回、窃盗の一部始終がカメラに映っていました。 夕方6時ごろ、上下黒い服を着た犯人が敷地内に入ってきます。仲間から大きな剪定バサミのようなものを受け取ると、電柱にある留め具を切断。そして銅線が入ったチューブを手慣れた様子で切断していきます。その間わずか10数秒。最終的に中に入っている銅線を引き抜いて持ち去っていきます。犯人は少なくとも男2人とみられますが、いまだ逮捕には至っていません。 「非常に悔しいですね。一日も早く捕まってほしい」(井口さん) 銅線が切られ、盗まれたことで、発電所の稼働は停止に。1日300キロワットほどを発電していましたが、復旧までには少なくとも3カ月はかかるといいます。 「復旧するまでは待つしかない状況で、かなり痛い」(井口さん)