橋岡大樹が海外でプレーする際、チームメイトに嫌がられても「あくまで強気な態度で臨んでいる」理由
サッカー海外組「外国でプレーしてみたら驚いた」話 橋岡大樹(ルートン・タウン) 前編 【動画で見る】橋岡大樹の今だから話せる海外移籍裏話「舐められないように◯◯した」 現在、相当数の日本人サッカー選手が、欧州をはじめとした外国でプレーしているが、そこには言葉の壁も含め、数多くの見えないギャップや体験があることが想像される。それをどう乗り越えてピッチ上でいいパフォーマンスをするのか。今回は2021年にベルギーのシント=トロイデンVVへ渡り、現在はイングランドのルートン・タウンFCでプレーしている橋岡大樹に話を聞いた。 【動画】橋岡大樹の今だから話せる海外移籍裏話↓↓↓ 【海外移籍直前。日本を離れるのが嫌になった】 「子どものころからの憧れ、そういうことでもなかったんですよ。欧州のサッカーは観ていた。でもそこに自分が行く、という実感はなくて......」 橋岡大樹にとっての欧州の位置づけは、もともとそういったところだった。 1999年生まれ、184cmのセンターバックは、2018年に浦和レッズユースからトップチームに正式に昇格。2021年1月からベルギーのシント=トロイデンに渡り、今年1月からはイングランドのルートン・タウンでプレーする。日本代表では2019年12月に初キャップを記録後、これまで9試合に出場した。 埼玉県さいたま市浦和の出身。そのほかの場所に住んだことがなかった。小さいころから地元が大好きで、国内でどこか遠出しても「早く家に帰りたい」と思った。U-15以降の日本代表にも選出され続けてきたため、フランスやチェコ、スペインなどへの遠征で2週間ほど家を空けたのが「最長」だった。 そんな橋岡だったが、2017年のユース時代に浦和レッズのトップチームに登録されて以降、考えが変わっていく。 「Jリーグでプレーするなかで、海外はもっとレベルが高い場所なのかな? と想像し始めたんです。シンプルに、海外で活躍している選手がかっこいいと思った。当時は長友佑都選手や香川真司選手がセリエAやブンデスリーガで活躍していて、プロに入ってからそのすごさがわかり、海外で挑戦している人に憧れを抱くようになりました」 憧れは、華やかさだけではない。ストイックでもありたいと思った。 「Jリーグには日本人選手が多く、環境的にはとてもいいと思います。しかし、海外に行けば日本語が通じず、英語だけでやらなければならない。そういう環境に身を置きたいとも思ったんです」 そう思っていた矢先、2021年1月にオファーが届いた。ベルギーのシント=トロイデンからのレンタル移籍の申し出だった。その段になると、意外な感情が襲い掛かってきた。橋岡は「今まであまり話してこなかったこと」として、ある点を明らかにした。 「いざ行くとなると、2週間くらい前から日本から離れるのが本当に嫌になっちゃったんですよ。海外でプレーはしたいのですが、友だちとも会えなくなるし。本当に行ったら、半年に1回とか1年に1回しか帰ってこれないのかと思っていたのをよく覚えています」 そんな感情にあった橋岡に追い討ちをかけるように、コロナ禍だった当時の複雑な状況も橋岡本人に押し寄せてきた。 「オファーがギリギリのタイミングで届いたので......冬のウィンドーの期限日である1月31日までに現地に行ってサインしないといけなかったんですが、コロナの影響で飛行機の便数が減っていて。オランダ直行便も1日1本しか出ていませんでした」 1月28日、さあ、飛行機に乗ろうという段になって先方から連絡が入る。「契約書に不備がある」のだと。 「さらに1日待ってほしいと言われたのです。もう本当にギリギリでした。仮にフライトがキャンセルや遅延になったり、自分がコロナに感染していたら、その時にベルギーに行けていなかったでしょう。本当にギリギリ、現地時間の1月31日にサインができました」