GPIF改革10年、「脱・国内債」の分散投資で果実-累積収益120兆円超
ただ、銘柄選別の意味合いが濃いESG(環境・社会・企業統治)投資の開始や、社会課題の解決と収益性の両立を図る「インパクト投資」の事実上の解禁は、これらの投資原則が拡大解釈された一例とみることも可能だ。原則を守りつつ、今後も中長期的に収益確保を継続できるかが課題と言える。
GPIFは基本ポートフォリオを5年に1度見直しており、次回は25年3月末がめどとなる。新たなポートフォリオを決める際の土台となる「次期中期目標」は、厚労相が年明け以降に策定する見通しだ。
日銀が国債買い入れの減額を決めたことで、安定消化には代わりの買い手が必要となることから、発行当局の財務省は国内債の新たな比率を注視する。ブルームバーグが9月に公表した調査結果では、アナリストの約半数が国内株比率の引き上げと外国債比率の引き下げを予想している。
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Takashi Umekawa