苦手な3バック…FC東京、チームのオプションの少なさや柔軟性に欠ける弱点が露呈した2試合連続での無得点負け
◇記者コラム「Free Talking」 FC東京は9日、国立で町田に0―3で敗れ、改修後9戦負けなしを続けてきた不敗神話がついに崩れた。これで今季は町田に2敗、東京Vとは2分けで、都内に本拠地を構えるライバルから1勝も挙げられず。リーグ戦の順位も残り2試合で町田の3位、東京Vの6位から後れをとり、8位にとどまっている。 今季は早々に無冠が決まり、来季ACL出場の道も完全に消滅。試合後の選手たちは、険しい表情で言葉を吐き出した。 小泉慶は「相手はやりたいことをしっかりとやってきた。試合前から予想はできたけど、まんまとそれにはまった。自分も含めて力負けした」と唇をかんだ。さらに、主将は「結果が現実なので受け止めないといけないし、もっとやらなくちゃいけない。きょうで終わりじゃないので、残りの2試合でこんなんじゃ終われないというところを試合で見せたい」と続けた。 前節も3バックシステムの湘南を攻めあぐねて0―2の完封負け。町田もそれを見越して、この日はスタートから3バックにシステム変更してきた。前節からの修正がうまくいかず、2試合連続で無得点。町田戦だけでなく、湘南戦も含めて相手の良さを出させてしまった反省は、この2試合でも改善されなかった。 システム上のかみ合わせがうまくいかないのなら何か策を打てたはずだが、町田戦でも大胆な変更に打って出ることは最後までなかった。あらためてこのチームのオプションの少なさや、柔軟性に欠ける弱点が露呈してしまった。 今季は夏場に6戦未勝利と大失速した。柔軟に夏場に合わせた戦いを少しでも見いだせていたら現在の順位も大きく違っていたはずだ。東慶悟が先発復帰した9月以降はうだる暑さからも解放され、4勝1分けの5戦無敗で何とか持ち直した。だが”シンデレラの魔法”も解け、ここに来て再び放置していた課題があらわになった格好だ。ピーター・クラモフスキー監督も「相手が良かったというよりも、自分たちがもう少し対応しなければいけなかった」と口にしていた。残りは2戦。苦手な3バックシステムの対策を講じなければ、さらに順位を落とすことになるだろう。 (サッカー担当・馬場康平)
中日スポーツ