世界ベルト5本披露の井上尚弥がドネア父挑発に反論
ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者の井上尚弥(26、大橋)が25日、横浜の大橋ジムでWBC、WBO、WBA、IBFの主要4団体のベルトと、米国で権威のあるリング誌が独自認定しているリング誌ベルトを合わせて5本の世界ベルトを披露した。過去に主要4団体のベルト奪取は高山勝成がミニマム級で成し遂げたが、リング誌を含めた5本の世界ベルト奪取は日本人初。井上は「これで満足せずもっとベルトを増やしていく」と宣言。来月中旬には開催場所と日程が決定しそうなWBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)の決勝で5階級王者でWBA世界バンタム級スーパー王者のノニト・ドネア(36、フィリピン)と対戦するが、この試合は、WBAのベルトの統一戦となり勝てば6つ目のベルトを手にすることになる。
次は6つ目のベルトを狙う
名誉な5つ目のベルトが届いた。 1922年に創設されたリング誌のベルトだ。初代は伝説のヘビー級王者、ジャック・デンプシー(米国)。1990年代に一度中断されたが、2002年に再開した。世界王者は、4団体と乱立し一般ファンにとってわかりにくいが、「真の世界王者」をリング誌が認定しようというのが、このベルトの主旨。日本人ボクサーで贈呈されるのは、WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(25、ワタナベ)以来、17人目となるが、日本人ボクサーの第一号は、1952年に日本人として初のフライ級世界王者となった白井義男氏。大橋ジムでは過去に八重樫東も授与されている。 「NAOYA INOUE」の名前と授与される試合となった英国グラスゴーでのWBSS準決勝、エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦の記録が刻みこまれたこのベルトが届いたタイミングで、同試合で手にしたIBF同級ベルトも含めて5本が揃ったため、お披露目となった。 5つのベルトを前に井上は「ベルトを並べて初めて重圧というか、やってきた歴史を感じました。WBC(ライトフライ級)からタイトルをとって、WBO(スーパーフライ級)、WBA、IBF(バンタム級)といきましたが、どのタイトルにも思い出がある。でも、これからもっとベルトを増やしていこうという思いがある。これで満足はしない。まだまだ」と宣言した。 価値としてベルトの「重さ」に優越はつけられないが、ベルトとしての重量は「IBFが一番重い。次にWBA、WBO、WBCの順」だそうである。 6つ目のベルトをかけた戦いが目の前に迫っている。大橋会長が「まもなく場所と日程を発表できると思う」というWBSS決勝のドネア戦だ。ドネアは1回戦で途中棄権したライアン・バーネット(英国)からWBA世界同級スーパー王者の座を奪っている。防衛回数を重ねた特別の王者が認定されるスーパー王者と、正規王者の井上の統一戦がWBSS決勝の舞台で行われるのである。井上が勝てば、優勝者が手にするモハメド・アリ・トロフィーと共に、少し通常のベルトとデザインが違うWBAのスーパーベルトを手にすることになる。