[懐かし名車旧車] スバル インプレッサWRX:WRCの活躍で“SUBARU”を世界に発信
スバル1000、ff-1、レオーネと受け継がれた歴代スバルFF小型車には、真面目だがどこか地味で泥臭い印象がついてまわっていた。それらを払拭すべくレオーネから名称を変更、1992年に登場したのが初代インプレッサだ。WRC(世界ラリー選手権)での活躍、スパルタンモデルWRXシリーズの設定など、派手な高スペック戦略で新たなスバリストを掘り起こす一方で、主力小型車としてスバル伝統の技術もしっかり受け継がれていた。新型登場を機に、スバルの名を一気に世界に轟かせた初代インプレッサを振り返っていくことにしよう。 【画像】[懐かし名車旧車] スバル インプレッサWRX ◆セダンWRXSTiバージョンⅢ(1996年) WRXと同じく最高出力は280PSだが、最大トルクは35.0㎏・mに。インタークーラーウォータースプレーにオートを追加、レブリミットは7500rpmから7900rpmにアップ。 ◆セダンWRX STiバージョンⅣ(1997年) 時代を反映して、エアバッグ内蔵のMOMO社製ステアリングを採用。RA以外に採用されていたカーボンメーターパネルはメタル調に変更になった。
時代に先駆けすぎたスバル1000の志を、花開かせたインプレッサ
どんな商品であれ、消費者に理解できない技術や個性は、成功の決め手にはならない。どれほど専門家の高い評価を得たとしても、その時代の消費者に使いこなせない、あるいは価値がわからない商品は売れないのだ。1966年に登場したスバル1000は、まさにその一例だった。 戦時中にはスバルの前身の中島飛行機で戦闘機のエンジンを手がけた開発者の百瀬晋六氏は、彼自身が開発して大ヒットしたスバル360に続いて、航空機エンジニアらしい合理性と理想主義で、世界に恥じない小型車を目指した。軽量コンパクトで低重心の水平対向エンジン。世界初の伸縮式等速ジョイントを使った、滑らかな走りのFF方式。乗り心地と操縦安定性に貢献するデフ側配置のインボードブレーキ。高効率な電動ファン式冷却システムなど、ライバルとはケタ違いの高度な技術で革新的なクルマを作ったのだ。