[懐かし名車旧車] スバル インプレッサWRX:WRCの活躍で“SUBARU”を世界に発信
レオーネから飛躍的に進化した水平対向エンジンと最新4WDシステムを搭載。走破性はもちろん、ハンドリングも熟成された
しかし、それから26年後、インレッサが登場した1992年当時の日本は、バブル景気の後押しもあり、技術も素材も理論も、世界レベルに到達しようとしていた。百瀬氏が手さぐりで苦労しながら目指した理想を、インプレッサの開発者たちは最新の知見で自信を持って形にすることができたのだ。 レオーネまでは原始的なOHVと3ベアリングで高回転は望めなかった水平対向エンジンは、OHCと5ベアリングの新世代となり、スポーツモデルにはDOHCのインタークーラーターボまで積むことができた。 初代レオーネの時代にはパートタイム方式でスタートした4WDシステムも、ATでは電子制御の可変トルク配分まで可能なフルタイムシステムになり、走破性だけでなく、ハンドリングにも寄与するまでに熟成された。スーパーコンピュータによる解析で、伝統となったサッシュレスドアを継承しながら、軽量・高剛性のボディも実現できた。 1972年に初代レオーネで量産国産車としては初採用された4輪ディスクブレーキも、インプレッサには当たり前のように搭載されていた。サスペンション技術の向上は、しっかりとした接地感と機敏なハンドリングを両立。百瀬氏がインボードブレーキで目指したバネ下重量の軽減は、WRXに採用された鍛造アルミ製のロアアームで実現される時代を迎えていた。 ◆Bピラーレスのように見えるサッシュレスドアは、スバル車の特徴でもある。水平対向エンジンならではのフロント・ロー&リヤ・ハイのプロポーション。 ◆ボンネット上に備わった大きなエアインテークがWRXの特徴だった。大きな丸型フォグランプもインプレッサWRXの精悍さを演出している。 ◆インプレッサWRXの特徴のひとつであったリアスポイラーは、初期型では若干控えめなデザインだった。 ◆セダンWRX。ステアリングはナルディ社製本革巻き。ダイヤル式の空調スイッチを採用。カセットデッキは標準装備だが、オートエアコンやABSはオプション。 ◆WRXは本格的なバケットシートを奢る。ヘッドレストとバックレストが一体構造のモールドタイプ。 ◆インプレッサスポーツワゴン:レガシィツーリングワゴンは荷室の実用性を重視した王道ステーションワゴンだが、こちらはセダンから乗り換えても違和感のないキビキビした走りやカジュアルさを売りに開発された。当時のスバルのリリースには「ユーティリティとスポーツを融合進化」と書かれている。改良後の後席は6:4分割で座面を引き起こすことも可能になり、最大荷室時の床面は低く平ら。