ロシア大統領選 “圧勝”狙うプーチン氏が「反戦候補」封じる? 対抗馬は「票は奪わない」…侵攻支持ばかり【#みんなのギモン】
■プーチン氏の目標得票率は80%か
鈴江アナウンサー 「本当にそうですよね。こういった方たちは勇気を出して声を上げようとしているところだと思います。一方で、民主主義を支える選挙が機能しない恐れもあるということで、なぜそんなことになってしまうのでしょう?」 小野解説委員 「そこで選挙管理委員会とズブズブなのか、というポイントを考えます。プーチン大統領はこの選挙で圧勝したい、徹底的に勝ちたい。ウクライナ侵攻の前、前回2018年の選挙ではプーチン大統領の得票率は約 77%でした」 「それが今回、ウクライナ侵攻後初めての大統領選挙です。もし得票率が下がると、戦争が支持されていないことになります。だから77%より多い、がっつりした票を取りたい。(得票率)80%は欲しいのではないかとみられています」 「ただネットの調査を見ると、ナジェージュジンさんの人気は30%を超えています。もしこの数字がそのまま得票率になると、100%-30%で70%となり、プーチン大統領の目標の80%に届きません」 「そして、ロシア国内で反戦を訴える候補者に署名する人が何万人もいると。プーチン大統領は当然、警戒します」
■専門家「プーチン政権の常とう手段」
辻岡アナウンサー 「となると、プーチン大統領と選挙管理委員会の関係性も何か疑わしくなってきますよね。裏があるんじゃないのかなと」 小野解説委員 「そこを疑いたくなりますが、防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は、『プーチン政権の常とう手段だ』と指摘します」 「兵頭さんは『表向き、反戦だからとの理由で立候補を認めないわけにはいかないので、選挙管理委員会を使って書類不備を理由に立候補させないようにしているのではないか。プーチン政権は、公正中立なはずの選挙管理委員会と密接な関係がある』とみています」
■プーチン氏から勲章を与えられた委員長
小野解説委員 「去年11月の映像では、選挙管理委員会の委員長が、プーチン大統領からメダルと花束を受け取っています。プーチン大統領から仕事内容を褒めたたえられ、勲章が与えられました」 「兵頭さんは、『選挙管理委員会と密接な関係があれば、選挙結果がプーチン大統領の思うように調整される恐れさえあり得る』と言います」