【転職・退職時に】iDeCoや会社の企業年金制度の手続き忘れ・ミスにご注意を!
利用率は低いがこんな移し方もあります
あまり利用率は高くありませんが、転職時にもう1つ移せる先があって、企業年金連合会の通算企業年金というものがあります。 企業年金連合会が、資産を預かり、管理運用をし65歳から年金支給をしてくれる仕組みです。運用のことはもう考えなくてよくなりますし、終身年金でどんなに長生きしてももらい続けられます。また、少なくとも15年分の年金額は受け取りが保証されています。 資産を引き継ぐ最初に一度、事務手数料を払い、その後の運用管理には手数料が生じません。45歳より若い人が移した資産については年1.25%の利回りが保証されており、運用実績によって上積みされることもあります。 確定給付企業年金をやっている会社の場合、退職時に現金を受け取らず制度間のやり取りで企業年金連合会に移すことができます。この場合、企業年金の担当者に希望を伝えます。 企業型の確定拠出年金も退職時にiDeCoに移さずに、企業年金連合会に移すことができます。この場合、自分で確定拠出年金の運営管理機関に手続きをするか、企業年金連合会に対して手続きをします。 資産を移す際に引かれる手数料と、将来の年金受取額のシミュレーションは企業年金連合会ウェブサイトでできますので、気になる人はチェックしてみてください。
気をつけたいのはやはり確定拠出年金の手続きミス
この中で、受け取りミスがもっとも発生しやすいのが企業型の確定拠出年金です。 iDeCoは自分の口座という意識がありますし、手続き漏れは積立に影響するのみです。確定給付企業年金は資産を移さない場合、現金でもらう手続きをしますから、これまた手続き忘れということも起こりにくくなっています。 ところが会社の確定拠出年金制度の場合、会社は退職時の説明をして終わり。金融機関サイドも書類の郵送案内のみということがあり、気がつけば半年経過ということが多いといわれています。 実際、2023年度には、108万人分2500億円以上の資産が塩づけ状態に。気がつけば、残高ゼロになっていたというケースもあるようです(事務手数料を毎月引かれたため)。 新生活や新しい職場に慣れるために忙しい日々を送っていくとき、確定拠出年金の手続き問題が出るのはやっかいではありますが、忘れずに(できれば思いついたらすぐに)手続きをしておきましょう。 もしiDeCoの金融機関選びに迷ったら、口座獲得の実績が上位である楽天証券かSBI証券を検討候補としてみてはどうでしょうか。大きな不利益はないと思いますよ。比較検索サイトもあります。 山崎俊輔 フィナンシャルウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー。夫婦で共働き、共家事、共育児しながら子どもふたりを育てている。 Source: iDeCo公式サイト(1, 2) ,労金, 企業年金連合会
山崎俊輔