能登半島に観光客を! 大地震から4カ月、「屋台村」に「新ワイン」で観光復活へ 【WBSクロス】
能登半島地震の発生からまもなく4カ月。被害が大きかった能登半島地域では、いまだ観光の復活が見通せない状況が続いています。こうした中、能登に観光客を呼び戻すための新たな取り組みが始まっています。現場を取材しました。 4月6日に、全線で運行を再開した「のと鉄道」。 およそ100本の満開の桜に囲まれる能登鹿島駅は“能登さくら駅”とも呼ばれ、毎年多くの客でにぎわいます。 能登の貴重な観光資源でもある「のと鉄道」。沿線には風光明媚な七尾湾もあります。ただ、期待される、観光列車「のと里山里海号」の再開は見通しが立っていません。 「まだ全然復興が進んでいないので、観光列車を動かすことはできないのかなと思っています」(「のと鉄道」の小林栄一常務) 地震から4カ月。北陸を代表する温泉地、和倉温泉にも観光客は戻っていません。 21軒全ての旅館が今も休業したままです。建物の修繕ができず、部分的な取り壊しが決まった旅館もあります。 「壊すのに1年近くはかかり、新しく建てるのに1年ちょっと。営業再開までは2年半弱を覚悟しておかないとダメなのかな」(「美湾荘」の多田直未社長)
ただ、観光客を呼び戻すための動きも始まっています。 和倉温泉にあるレストラン「epice」。地元・能登の食材を使ったメニューが人気のイタリアンでしたが、地震で店には大きな被害が出ました。オーナーの小山康成さんは、店を続けるかどうか思い悩んでいました。 「もうじき60歳になる。先が見えている。どう頑張っても10年ちょっと」(小山さん) そうした中、小山さんの店にやってきたのは和倉温泉観光協会の毛利光歩さんです。 「和倉温泉の屋台村の打ち合わせで来た」(毛利さん) 営業の再開ができていない地元の飲食店が集まり、新たな屋台村を作る計画です。 早速小山さん、屋台で出す料理の仕込みを始めていました。 「13種類のスパイスを使ったバターチキンカレー。カレー作りの経験はない。最初に作った時はひどかった。2回目でこうすれば美味しくなるなと。3回目でめちゃくちゃうまいのができてどんと作った。自信作。めっちゃうまい」(小山さん) そして、4月20日に迎えた「和倉温泉・屋台村」の初日。会場には多くの客の姿がありました。小山さんもおよそ4カ月ぶりに客に食事を提供します。 「うれしい。やってよかったという感じ。心が洗われる」(小山さん) 和倉温泉で始まった屋台村。町のにぎわいを取り戻す第一歩としたい考えです。 「能登はいま頑張っているんだとアピールできれば。これを通して、和倉の町も人の流れができてにぎやかになればいい」(小山さん)