レーサーレプリカの元祖? XSR900GPの登場でさらに熱い「カフェレーサー」とは?
【カワサキ】 「Z900RSカフェ」 948cc・並列2気筒/バーハンドル/フロントカウル付き
【スズキ】 「SV650X」 645cc・90°Vツイン(2気筒)/セパレートハンドル/フロントカウル付き
レトロでスポーティなスタイルが共通点
各モデル名の下には、エンジンのタイプや排気量、カフェレーサーとしての装備に関連する特徴なども入れてみました。ご覧の通り、フロントカウル付きもあればカウルなしもあるし、バーハンドル仕様があるかと思えば、セパレートハンドル仕様もありますよね。 これらの共通点は、前述の通り、レトロな雰囲気を醸し出しつつも、スポーティなフォルムや走りも合わせ持つことです。 たとえば、ホンダのホーク11は、FRP製のロケットカウルと呼ばれるフロントカウルを採用。ほかにも、カワサキのZ900RSカフェ、スズキのSV650Xにもフロントカウルがあります。 ちなみに、ヤマハのXSR900GPの場合は、カウル付きといいつつ、ほかのモデルとややイメージが違いますが、後述する理由により、ここではあえてカフェレーサーのひとつにカウントしています。 話を元に戻すと、ハンドルについても、ホーク11やXSR900GP、SV650Xがセパレートタイプを採用。そのほかは、バーハンドルを装備しています。ですが、バータイプのモデルについても、ハンドル位置は比較的低めに設定。セパレートハンドルのモデルと同様、やや前傾がきつめのスポーティなライディングポジションになることが共通点だといえます。
ルーツは60年代に流行した公道レーサーのカスタムバイク
カフェレーサーと呼ばれるモデルが、なぜこうした装備を特徴とするかについては、そのルーツが関連しています。元々、カフェレーサーは、1960年代にイギリスで生まれたカスタムバイクのスタイルを意味し、それらの特徴を採り入れているからです。 当時、イギリスでは、毎晩のようにカフェへ集まり、そこを起点に公道レースを楽しむ「ロッカーズ」と呼ばれる若者たちが数多くいました。 そうした若者たちの特徴は、レザー製のジャケットやパンツを履き、カスタムバイクに乗っていること。しかも、彼らが乗る愛車の多くが、当時のレーシングマシンを模倣したスタイルに改造されていたといいます。 ベース車両の多くは、トライアンフやBSA、ノートンといった、当時のレースシーンで大活躍した英国メーカーのモデルたち。公道レースなどでバイクのスピードやスリルを味わうことを好んだ当時の若者たちは、マン島TTレースなどバイクの世界選手権シリーズでダイナミックに走るレース用マシンに憧れ、それらを参考にしたカスタムを愛車に施すようになったそうです。 ちなみに、カフェレーサーという名前の由来は、当初、こうしたカフェに集まり、公道でレースをする若者たちを指していたそうですのが、いつの日か彼らの愛車も意味するようになったといわれています。