がんでも脳卒中でも心筋梗塞でもない…75歳以上の8割が5年以内に死亡する「寝たきりを招く病気」の名前
■「8割近くが5年以内に死亡」恐怖の骨折とは 「からだが衰弱しているので、足の切断手術もできない。このままだと壊死した部分から毒が全身に回り、長くはもたない」と宣告されてしまいました。 いかがでしょうか。高齢の方が、骨折で入院して戻って来たら、体調や認知症が一気に悪化していて驚いた、というお話はよく耳にされるのではないでしょうか。からだを動かさないということは、それだけでも健康を損なうリスクですが、骨粗しょう症をきっかけに、生活が一変してしまうこともあるのです。 がんに罹患する人は2人に1人ですが、骨は100%、誰もが弱くなります。 とりわけ、足の付け根近くを骨折する大腿骨近位部骨折は5人に1人がなると言われています。これは非常に危険な骨折で、75歳以上で大腿骨近位部骨折を起こした人の5年生存率は、男女あわせて約2割。8割近くの人は5年以内に亡くなってしまいます。 残念ながら、年をとって骨が強くなるという人は一人もいません。全員が問題意識と、正しい知識を持って骨に向き合うことが大切です。 ---------- 斎藤 充(さいとう・みつる) 東京慈恵会医科大学整形外科学講座主任教授 東京慈恵会医科大学整形外科学講座主任教授。同大附属病院整形外科・診療部長。1992年、東京慈恵会医科大学卒。2020年より現職。日本骨代謝学会理事、日本骨粗鬆症学会理事、日本人工関節学会理事などを兼務。骨代謝の診断・治療・研究で国内外を牽引する。 ----------
東京慈恵会医科大学整形外科学講座主任教授 斎藤 充