【災害時に困らないトイレの備え】「簡易トイレ」は1人100個を備蓄する時代です
2025年1月、令和6年能登半島地震から1年。そして、平成7年阪神・淡路大震災から30年を迎えます。改めて「もしもの備え」を見直す方もいるかもしれません。 【写真13枚】1個あたり約50円とリーズナブルな簡易トイレも!山善の「トイレの備え」4アイテムを写真で見る ところが今、日本国内では「簡易トイレ不足」が起こっているのだとか。それに対抗すべく立ち上がったのが、手に取りやすい価格の防災リュックでも知られる専門商社『山善』です。
困った! 簡易トイレが足りない……
今回、お話を伺ったのは『山善』の防災用品を企画開発する小浜成章さんです。小浜さんは、2016年から防災リュックの開発に着手。以来、防災用品一筋。防災士の資格ももつ、いわば防災のプロフェッショナルです。 「災害が起こると、困ることの一つがトイレです。基本的には水が流せませんし、避難所に仮設トイレが設置されるまで最低3日はかかります。また、大きな災害の場合、長引けば在宅避難が2~3カ月に及ぶこともあり、その間、トイレが満足に使えない可能性もあります。 日ごろ、健康な人でも避難生活は疲弊します。排泄を我慢することは健康被害にもつながるので、トイレの備えは必須です。こうした意識の高まりから、2024年8月には前月の数倍近く、簡易トイレの需要が高まりました」(以下「」全て、小浜さん) ♦︎簡易トイレ不足は高齢化社会の影響!? 需要が拡大したことで深刻化したのが、国産吸水ポリマーの不足です。 「日本は高齢化社会で、介護が必要な方が増えています。そうすると必要になるのが、介護用おむつに使う吸水ポリマーです。これは吸水力の高さから、簡易トイレの凝固剤にも使用されています」 「ただ現在、国産の吸水ポリマーは生産量が追いつかず、簡易トイレが足りないという問題も起こっています。そこで弊社はお客様の声に安定して応えることができるよう、中国産吸水ポリマーを使うことにしました。 もちろん中国でも介護用おむつの需要は高いですが、まだ日本ほどではありません。また、質も国産とほとんど変わらないのに、中国産ということで価格を抑えることができています。 日本で防災用品に対するハードルを下げたいと、2016年から防災リュックの開発・販売を始めた弊社としては、簡易トイレも同じように、どなたにも気軽に備蓄していただけることを目指したいんです」