【災害時に困らないトイレの備え】「簡易トイレ」は1人100個を備蓄する時代です
「山善」のトイレ防災【注目商品】
熱い想いで開発されている『山善』の防災用品。中でも、トイレ防災に関わるラインナップは、使い勝手のよさと手に取りやすい価格に抑えられたものがそろいます。その中から、とくに注目した優れものを3点ご紹介します。 ♦︎吸水ポリマーの量を増やした「もしもの時に備える!緊急簡易トイレ」 2024年12月下旬に新発売の「もしもの時に備える!緊急簡易トイレ」は、長期の断水に備えやすい大容量タイプです。1個あたり約50円と、一般的なものよりリーズナブルなところにも注目! 「能登半島の地震で断水が長期化したことで、『簡易トイレをたくさん備える必要がある』という意識が広まりました。そこで50回分、100回分の大容量タイプを開発したのが、この新商品です。 1人が1日に5回トイレに行くとして、50回分なら10日、100回分なら20日ほど使っていただけます。もしご家族がいる場合は、人数分必要なわけで……。こう考えると、長期間の備えにかなりの簡易トイレが必要なことがわかりますよね。それなら価格も手に取りやすいほうがいいに決まっています」 「また、凝固剤の量も、通常の簡易トイレに多い約7gから約10gに増やすことで、一度に約500ml分吸水できるようにしています。これは、お年寄りなど介護を必要とされる方の排泄を鑑みて。こうした方々はトイレに行く回数がどうしても少なくなるため、一度の排泄量が多くなるんです。すると、約7gで吸水できる400mlでは足りないんですよね。 このほかにも、長期保存が可能なアルミパック包装にしたり、水洗トイレに設置できる便座カバーやまとめて処理できる袋を付属するなどしました」 ♦︎頑丈な樹脂製「防災士監修! サッと簡単トイレ」 場合によっては、トイレそのものが使えない可能性もあります。そうしたときに、組み立て式の簡易トイレが備蓄してあれば安心です。 こちらの組み立てにかかる時間は、およそ1分。しかも繰り返し使える、頑丈な樹脂製です。 「近年、ひどい水害も増えています。そんなときにも安心して使っていただける、頑丈かつ組み立てが簡単な簡易トイレもそろえています。 折りたためるので持ち運びする場合にも便利で、使わないときはコンパクトに収納していただけますよ」 樹脂製なので、汚れやにおいが気になったら洗うことができるのもメリット。重さは約1.4kg。収納袋に入れれば、車中泊やキャンプなどに持って行くのにもよさそうです。 「よく耐荷重を聞かれるのですが、一般的な男性にお使いいただけるとお考えいただければと思います。組み立て式なので、腰掛けるときはなるべく優しくが、長くお使いいただけるポイントです」 ♦︎湿気に強く、コンパクト「長期保存用トイレットペーパー」 防災リュックの中にトイレットペーパーを入れている方も多いのでは? しかし長期保存するうちに、カビていた!ということも少なくない、と小浜さん。 「阪神・淡路大震災のとき、被災者がもっとも困ったことにトイレットペーパー不足がありました。そこで開発したのが、この商品です。 トイレットペーパーは水に溶けるため、湿気の多い場所での保管や水害時の使用が難しく、いざというときに使用できないケースがあります。また、保管スペースが確保できないとか、長期で衛生的な管理ができない場所も多い。そこで、真空包装で、長期保存が可能な備蓄用トイレットペーパーにしました」 包装されているから、万が一、水没しても使用可能。真空包装なので、省スペースで保管できます。 「70mタイプは1人で使用した場合、約1週間相当で、防災リュックなどに入れていただきやすい手のひらサイズです。200mタイプなら、家族3~4人で約1週間お使いいただけますよ」 東日本大震災では、被災地のみならず、全国的にトイレットペーパーの不足が発生しました。また、経済産業省はトイレットペーパーの1カ月備蓄を推奨しています。このトイレットペーパーなら、1人あたりの必要数も把握しやすく、備蓄しやすそうですね。
備えあれば憂いなし!
お恥ずかしながら、筆者はトイレの備えに一切着手できていませんでした。でも今回、小浜さんのお話を伺い、具体的に必要な簡易トイレやトイレットペーパーの量を把握。それにより、わが家に必要な備蓄が見えたことで、ようやく重い腰が上がりました。 “もしも”はないに越したことはありませんし、備蓄品は使わないほうがハッピーです。でも、備えていないことで困るのはいちばん避けたい未来でもあります。 みなさんもどうぞこの機会に、トイレの備えをしませんか? 【取材協力】 山善
ニイミユカ