首都の地下に存在する知られざる巨大トンネル -「環状七号線地下広域調節池」の工事現場を見学した
ふう~。読んでる皆さん、ついてきているだろうか? さらに言えば、上記の(1)~(3)が「環状七号線地下広域調節池」計画のすべてではない。 神田川・環状七号線地下調節池の先に接続するべく設計中の目黒川流域調整池(仮称)を含め、ゴールの東京湾を目指してまだまだ延伸していく予定。すべて完成するのは数十年先になるという、実に遠大な計画なのである。 ■まるで異世界に迷い込んだように感じる圧倒的光景 見学会の集合場所に指定されたのは東京都中野区、西武新宿線の野方駅からほど近い、フェンスに囲まれた工事現場内の建物だった。ここは東京都第三建設事務所が管轄する、大成・鹿島・大林・京急建設共同企業体の作業所。 すでに完成して稼働している地下トンネル、神田川・環状七号線地下調節池の末端近くで、「発進立坑」という大きな縦穴が穿たれている現場だ。工事中のトンネルは、地下約50メートルの発進立坑の底を起点とし、環状七号線の地下を北に向かって掘り進められている。 まずは作業所内で、都の職員の方より調節池の概要や役割、トンネル掘削工法などについて一通りのレクチャーを受けた。
そして貸してもらったヘルメットと軍手を装着して、いざ現場へ。
正確な名称はわからないが、置かれている巨大な重機や設備の横を通るだけで、もう胸が高鳴ってくる。
まず誘われたのは、アイボリー&ピンクのツートーンカラーで彩られた鉄骨剥き出しの大きな設備だった。
そこは地下に通じる発進立坑の入り口で、アイボリー&ピンクの設備は地下50メートルの穴の底まで資材を運搬する巨大エレベーターである。その脇には、人員を運ぶための小さなエレベーターも設置されていた。 エレベーターに乗り込むと、係の方が扉をガシャガシャと手動で閉めてくれた。透け透け金網のエレベーターカゴも、かっこよくてテンションが上がる。現場で働いてる人にとっては当たり前なのかもしれないけど、素人の自分には、そんなものがいちいち心に刺さるのだ。