声優・春瀬なつみ、漫画『メダリスト』作者からの手紙に涙 「憧れのキャラを演じられて幸せ」
最初はギャグ漫画の予定だった『葬送のフリーレン』
原作・山田鐘人さん、作画・アベツカサさんの代理で登壇した週刊少年サンデー編集長・大嶋一範さんが『葬送のフリーレン』のこれまでの道のりを振り返りました。 「『葬送のフリーレン』の企画が最初に持ち込まれたのは2019年。当初は勇者と魔王のギャグ漫画という話だったのですが、出来上がったのは長命のエルフと人間の交流を描いた、全く異なる美しい物語でした。 その魅力的な原作を、新進気鋭の作家であるアベツカサ先生に読んでいただき、細やかな感情を描き切る、繊細で魅力的な作画を担当いただきました。2020年の連載当初より、読者から熱烈な支持を集め、昨年秋口より放映されたTVアニメーションでは、稀に見るハイクオリティな映像、そして金曜ロードショーでの放送も実現するなど、多くの方々に愛される作品となりました。 山田鐘人先生とアベツカサ先生の、1ページ1コマへの並々ならぬこだわりと頑張りが実り、晴れがましい場で歴史ある漫画賞をいただきましたこと、改めて皆様に深く御礼申し上げます」 大嶋編集長は、作品がここまで愛されるに至った背景を語り、作者の二人への敬意を表しました。今後も『葬送のフリーレン』がどのように発展していくのか期待されます。
いちのへ瑠美さん「純粋に自分が読みたい物語を書いている」
『きみの横顔を見ていた』作者のいちのへ瑠美さんは「商業誌で漫画をかく人間として、正しいことではないという自覚はあるのですが、伝えたいメッセージがあるという訳ではなく、純粋に自分が読みたい物語を書いています」と、創作の原点を明かしました。 しかし受賞を機に、「繊細な作風であるが故に、苦しんでいる作家さんたちを見てきたので、こういうネームでも評価をいただけることもあるんだよということで、作家さんたちにメッセージを送ることができたらなと思っています」と、他の漫画家へのエールを送りました。
声優・春瀬なつみさんが明かした『メダリスト』秘話
声優の春瀬なつみさんが『メダリスト』の作者・つるまいかださんへ、祝福のスピーチを行いました。 つるまさんは、なんと春瀬さんの長年のファン。会社員時代から頻繁にファンレターを送っており、その中には「会社をやめて漫画家になります。春瀬さんにアニメの声優をやってもらうのが夢です」という言葉も。 春瀬さんは、『メダリスト』の発売日には、いてもたってもいられず書店へ駆け込み、家に帰って玄関先で一気に読み切り、感動のあまり涙したといいます。 その時に 「いのりちゃんを演じられたらどんなに素敵だろう!」と願った夢が叶い、来年放送されるアニメでは憧れのキャラクターを演じられる喜びを、涙ながらに語りました。 つるまさんも、春瀬さんのスピーチに感極まり、涙をこぼしながら、講談社漫画賞への熱い想いを語りました。 「私はいつも、講談社オフィスのトイレに向かう通路で、講談社漫画賞を受賞した『ブルーピリオド』や『スキップとローファー』の大きなパネルを見ていました。締め切りに追われ、あまり作品が売れない日々の中でも、いつか自分もあのパネルに並ぶような作品を描きたいと、いつも心に誓っていました。」 講談社漫画賞への情熱は誰にも負けないと語るつるまさん。作品に関わってくれた全ての人々、そして読者への感謝を述べるとともに、月刊アフタヌーンの編集長へ「『メダリスト』のパネルを、『スキップとローファー』の横に並べてくださいね!」とリクエスト。会場は温かい拍手に包まれました。
PHPオンライン編集部