今年から8月26日は「火山防災の日」…もし“火山が噴火”したら私たちの生活にどう影響する?専門家が解説
◆気象庁が発表する火山に関する防災情報
災害の要因となる主な火山現象は、火山灰、火口から飛んだ大きな噴石、火山ガスなどが挙げられます。また“火砕流”と呼ばれる、噴火により放出された火山灰や岩石のような固体物質と火山ガスなどが一体となり、急速に山から流れくだる現象もあります。 今野さんは「火砕流の速度は時速100キロ以上で、温度は数百度に達することもあり、火砕流発生後の脱出は不可能です」と説明。実際に、1991年に雲仙・普賢岳(長崎県)で火砕流が発生し、死者・行方不明者43名の被害をもたらしました。 火山は、噴火する頻度こそ多くありませんが、ひとたび噴火すると大きな災害を引き起こす可能性があります。活火山の周辺で暮らす人はもちろん、観光や登山で訪れる人は、気象庁から発表される火山に関する防災情報に注意を払いましょう。 気象庁が発表する火山に関する防災情報には、火山灰の降る量や範囲、風に流されて小さな噴石が落下する範囲を予測して発表する「降灰予報」や、生命に危険を及ぼす火山現象の発生が予想される場合などに、噴火警戒レベルと合わせて発表される「噴火警報」などがあります。 この噴火警戒レベルは5段階に区分されており、警戒が必要な範囲と防災機関や住民などの取るべき対応が示されています。噴火警戒レベル1であれば通常の生活がおこなえますが、活火山であることは念頭に入れる必要があります。 <噴火警戒レベル2~5> レベル2:火口周辺への立ち入りを禁止 レベル3:登山禁止・入山禁止等、危険な地域への立ち入りを規制 レベル4:警戒が必要な居住地域での高齢者など配慮が必要な方は避難 レベル5:危険な居住地域からの避難が必要 噴火警戒レベルには常に注意を払い、地元の市町村の指示があった場合は、それに従って行動してください。また、地元住民だけでなく、登山や観光で活火山の周辺へ行く方も、各自治体のサイトから地元のハザードマップを見て、事前に“噴火警戒レベルに対応する危険な場所はどこか”“避難場所はどこか”などを確認しておきましょう。 活火山で登山をおこなうときは、気象庁のホームページで確認できる「火山への登山のしおり」に必要な装備や情報、噴火時の対応や連絡先がまとめられています。必ず目を通し、火山ガスや噴気地帯にも気をつけて登山計画を立ててください。 さらに「火山防災の日」特設サイトでは、火山や火山防災に関する情報がまとめて紹介されており、監視カメラで現在の火山の様子なども確認することができます。 最後に、金野さんは「今年から8月26日は『火山防災の日』です。私たちは、火山がもたらす恵みのなかで生活していますが、ときに火山は、噴火活動により私たちに大きな被害をもたらすこともあります。火山と共存し、暮らしている私たちだからこそ『火山防災の日』をきっかけに火山防災について考え、理解を深めていただければと思います」と話していました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「火山防災の日」について復習。2人が特に注目したことをピックアップして発表します。村上は「やっぱりこれでしょう!」と“8月26日は「火山防災の日」”を強調します。続いて杉浦は“活火山にお出かけする際は事前にチェック”とポイントを紹介し、「火山について詳しく知りたい方は、気象庁のホームページ『火山防災の日』特設サイトをご覧ください!」と呼びかけました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」8月25日(日)放送より)