首位ホークスの意外な弱点とは
パ・リーグ首位を走るソフトバンクホークス。打率10傑に7選手がランクインするなど好調な攻撃陣を擁する一方で、投手陣でも大隣憲司が難病から復帰、さらには育成入団の飯田優也がプロ初勝利を挙げるなど、3年ぶりのV奪回へ向けまい進中だ。そんな盤石の戦いを見せているホークスにも意外な? 弱点が存在していた。
■増加の一途を辿る、盗塁企図数 表1には、2004年以降のチーム盗塁阻止率をまとめた。まず、05年以前の阻止率とそれ以降の阻止率を比較していただきたい。明らかに05年を境に下落傾向にあるのが見て取れる。それもそのはず、05年までは球界を代表する捕手・城島健司が在籍していたからだ。城島が抜けた06年以降は、盗塁企図数(盗塁を試みられた回数)が増加の一途を辿り、ついには08、09、12、13年の計4年間でリーグワーストの企図数を誇るまでになってしまった。さらに、許した盗塁数でも前述の年に07年を加えた計5年間でリーグワーストを記録。つまり、城島が抜けて以降、ホークスは慢性的に「盗塁を許してしまう」状態に陥ってしまっているのだ。
■意外なあの人がチームワースト記録 では、今年はどうかと言うと…企図数はワースト、許した盗塁数もワースト2位と例年通りの成績となっている(表2参照)。幸いにも得点圏被打率.262を上回る好調な打線(チーム得点圏打率.279)のおかげで首位をキープしているものの、その根は深そうだ。投手個人で見てみると、意外なあの人がチームワーストの成績をたたき出していた。
■リーグでも三冠達成 表3をご覧いただきたい。こちらは、ホークス先発投手陣の盗塁阻止成績を比較したもの。各投手それぞれに投球回のばらつきがあるものの、「盗塁企図数」で摂津が他を大きく引き離してのワースト1位となっている。また、「9回あたり」でみた企図数でも、1.83と他投手の倍以上の数値が示すように、他球団は摂津との対戦時に多くの盗塁を試みているのである。同様に表4にパ・リーグの規定投球回数到達者との比較を示したが、こちらでも「盗塁企図数」「許盗塁」「9回あたりの企図数」で三冠を達成。つまり、意外なことに球界随一とも称されるコントロールの持ち主である摂津が、一番盗塁を仕掛けられているということの証拠だ。