収穫は春だけど、タネまきは今!好みの品種を見つけてナバナを育てよう
春の訪れをいち早く告げる野菜がナバナです。冬を越えてぐんぐん伸びる花茎(かけい)部分を次々に収穫します。種類が豊富なので好みの品種を見つけましょう。『やさいの時間』10・11月号より、一部抜粋してお届け。 みんなのナバナの写真
ナバナの品種
アブラナ科の花茎で食べられるものをナバナといいますが、なかでも主にナバナとして栽培されているのが西洋系ナバナ(ナタネ)、東洋系ナバナ(ナタネ)です。 ●西洋系ナバナ(ナタネ)とは 西洋から渡来したナタネが各地に根づいたもので、地方野菜として親しまれています。葉は濃い緑色で、蕾(つぼみ)は甘みがあります。 ・のらぼう菜・・・江戸時代から、南関東の一部地域で栽培される。花茎は柔らかで甘みがある。 ・三陸つぼみ菜・・・緑色が鮮やかで、花茎は甘くて歯ごたえがよい。とう立ちが早く、長期収穫が可能。 などがあります。 ●東洋系ナバナ(ナタネ)とは 日本で古くから栽培されているナタネです。縮みのある葉は明るい黄緑色で、独特のほろ苦さが持ち味です。 ・早陽(そうよう)一号・・・極ごく早わ生せ種で寒さに強く、年内から3月ごろまで長く収穫できる。 ・冬華(とうか)・・・作りやすく株張りがよく、わき芽が旺盛に発生する。耐寒性が強い。 などがあります。
冬がくるまでに大株に育てることが、春の大収穫のカギ
大きな株からは多くの花茎が出るので、秋の冷涼な気候下で大株に育てて、冬を迎えます。そのためには、タネまきの適期を守り、間引きを重ねて株間を広げることが大事です。 株の大きさは、花茎の数に直結します。 主枝(しゅし)から伸びる最初の花茎を、摘心(てきしん)を兼ねて収穫すると、それより下の葉のつけ根からわき芽が次々と伸びるようになります。 教えてくれた人/藤田 智(ふじた・さとし) 恵泉女学園大学副学長、人間社会学部教授。秋田県生まれ。学生や社会人を対象とした家庭菜園指導の第一人者。「初めてでも失敗しない」栽培メソッドに定評がある。『はじめてでも大収穫! 野菜づくり超入門 秋冬&春準備編』(NHK出版)など著書多数。 ●『やさいの時間』2024年10・11月号 冬越し野菜特集「ほろ苦さが魅力 ナバナ」より