【コラム】角田裕毅にとって正念場の5年目…ホンダとのつながり関係なしに未来を勝ち取るため、2025年に成すべきこと|F1
2025年の残留が早々に決まった角田裕毅
2021年にアルファタウリでF1デビューして以来同チームで戦い続け、2025年はレーシングブルズで5年目在籍に突入することが確定したのは周知のとおり。 新シーズンとなる2025年の契約については2024年6月に決定するなど、4年目のシーズンが序盤戦からポイントゲッターとして好調だったこともあり、早々に翌シーズンの残留が確定した。 角田がこれまで契約更新に至った時期を振り返ってみると、2022年の契約は2021年9月7日、2023年の契約は2022年9月22日、2024年の契約は鈴鹿での日本GP開催中である2023年9月23日だった。 これまで9月に決まっていた翌シーズン残留が、4年目の2024年は6月に決するなど例年より相当早かったことがわかる。 ただレッドブルF1チームは角田を昇格の有力候補として正当に評価していたのかとなると、懐疑的な見方になってしまう。
2024年VCARBのドライバーが競った結果
2022年限りでガスリーはアルピーヌへと去っていった。2023年からアルファタウリで角田はニック・デ・フリース、ダニエル・リカルド、そしてローソンと、3人と僚友になった。もちろんこのチームに籍を置く全員が「レッドブル昇格が目標」と公言している。 デ・フリースと言えば2019年のF2王者。2022年にはイタリアGPでウィリアムズからスポット参戦ながらいきなりデビュー戦初入賞を果たしたこともあり、ヘルムート・マルコ博士が惚れ込んでレギュラードライバーとして採用した。この人事についてクリスチャン・ホーナー代表は乗り気でなかったと伝えられている。 AT04で奮闘したものの、オランダ人ドライバーはポイントを奪うまでに至らず、前半戦終了前に離脱する結果となった。そしてハンガリーGPからはリカルドがアルファタウリのレギュラードライバー昇格となる。 ベテランのリカルドと言えばかつてトロロッソで存在感を示し、一度はレッドブル昇格を勝ち取ったことのある実力者。ホーナー代表はリカルドをペレスの代案として想定し、アルファタウリで再昇格のチャンスを与えた。 だがオーストラリア人ドライバーは、かつての輝きを取り戻すことはできなかった。アルファタウリ~レーシングブルズで結果を示すことができず、リカルドは2024年のシンガポールGP終了後にチームから離脱する。 その代役となったローソンは同年の終盤6戦で戦ったわけだが、結果的にローソンが2025年にレッドブル昇格の切符を勝ち取る結果となった。 2024年、第1戦~第18戦における角田vsリカルド、第19戦~第24戦における角田vsローソンの当該成績は下記のとおり。 角田vsリカルド(18レース) ●決勝当該成績 9-8 ●予選当該成績 12-6 ●第18戦までの総合成績 11位-15位 ●決勝最高順位 7位-8位 ●予選最高グリッド 7番グリッド-5番グリッド ●獲得ポイント 22点-12点 ●入賞回数 7回-3回 ●DNF(リタイア)回数 3回-4回 角田vsローソン(終盤6レース) ●決勝当該成績 4-2 ●予選当該成績 6-0 ●終盤6戦総合成績 12位-16位 ●決勝最高順位 7位-9位 ●予選最高グリッド 3番グリッド-5番グリッド ●獲得ポイント 8点-4点 ●入賞回数 2回-2回 ●DNF(リタイア)回数 1回-0回 リカルドは角田に総合的には及ばなかったが、カナダGPでは予選5番手と上位勢に割って入る一発の速さを示している。 数字上で角田は、対リカルドと対ローソンどちらも数字上でアドバンテージを示した。予選結果や実際に獲得したポイント含め、重要な公式セッションで角田が上回っていたことは確かだった。