「市役所」と「県庁」では、年収や必要な資格に違いはある?
市役所と県庁はどちらも同じ地方公共団体ですが、実は仕事内容などにそれぞれ違いがあります。「市役所の仕事はなんとなく分かるけれど、県庁は何をやっているのかよく分からない……」という人も多いでしょう。 そこでこの記事では、市役所と県庁の具体的な違いについて、役割や年収、必要な資格などの観点から解説します。
市役所と県庁の役割の違い
市役所と県庁で大きく異なっているのが、その役割や仕事内容です。市役所は「市」という狭い範囲を対象とし、市民が安心・安全に暮らせるよう、暮らしのさまざまな面をサポートする行政サービスを提供しています。 仕事内容は住民票の発行から図書館などの公共施設の管理、ごみの収集など多岐にわたります。市役所の仕事の特徴は、住民対応がメインである点です。窓口業務などを通じて市民と接する機会が多く、実際に現場に赴いて住民の地域活動をサポートすることもあります。また、部署の異動も市内にとどまることが多いでしょう。 一方、県庁は「県」という広い範囲が対象となり、市のレベルでは対応が難しい案件の対応や、県内全域のことを考えた施策を実施するなど、広域的な行政サービスを提供しています。市役所と違い実際に住民と接する機会はほとんどなく、現場に出る機会も少ない点が特徴です。 国や県内の民間企業など大きな組織とやり取りすることが多く、国と市の橋渡しをする役割も担っています。部署異動は県内全域にわたるため、引っ越しを伴うことも少なくありません。
市役所と県庁の年収の違い
市役所と県庁の年収の違いについても見てみましょう。総務省による「令和4年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、市役所の一般行政職の平均年収は約474万円、県庁の一般行政職の平均年収は約494万円となっており、20万円程度の差があります。 市役所や県庁には一般行政職のほかに資格を持った技術職や専門職も在籍しており、職種によっては技術・専門職のほうが平均年収がより高くなる場合もあります。