「よその家族はみんな幸せそうで、耐えられない!」レスで自己肯定感を喪失した44歳夫。SNS時代の「理想の夫婦像」とは
自己肯定感を取り戻すための自分だけの時間
そんな中、白尾さんが自分を取り戻すための手段として見つけたのが、趣味の時間でした。彼は家族や仕事以外の場所で「自分だけの時間」を過ごすことが、自分自身にとっての救いになっていると言います。 「悩みから避けるように釣りに行くようになりました。誰もいない湖で、一人でボートを浮かべていると、今まで家で感じていた孤独が、少しずつ癒されていく気がするんです」 自然の中で釣り糸を垂らしながら、静かに自分の時間を過ごすことで、白尾さんは家で抱える心の重荷を一時的に解放できるのだと言います。また、趣味に没頭することで気持ちがリフレッシュされ、家に戻ると以前よりも少し穏やかに家族と向き合えるようになったと語ります。 「もちろん、性の問題が解決したわけではありません。でも、自分自身の心を少しずつ満たしていくことで、家庭に戻ったときの自分が徐々に変わり始めている気がしたんです」 自分を取り戻すきっかけにもなった“自分だけの時間”は、白尾さんにとって、決して夫婦関係を諦めたわけではなく、まずは自分を立て直し、その上で家庭を見つめ直すための第一歩でもあるのです。 ▶つづきの【後編】では、自分の家族・家庭に抱いていた違和感を解消するために、白尾さんが取り組んだこととは? 他人との比較を手放せば、自己肯定感あがるのか?……についてお届けします。
家庭関係研究所 山下あつおみ