日産、いばらの道か? ホンダから突き付けられたハードルは待ったなし
ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」【第395回】 「市場環境の変化 当社固有の課題の影響を受けた結果になった」 2024年9月中間決算で純利益前年同期比93.5%減、2024年度世界販売台数見通しを365万台から340万台の下方修正、2025年3月通期業績予想の純利益は「未定」、そして世界で人員9000人削減……。
衝撃的な発表となった11月7日の日産自動車の決算会見では、オンラインで画面越しから内田誠社長の深刻な表情が伝わってきました。あれから約1か月半、事態は風雲急を告げます。 12月23日午後5時、東京・京橋のホールスペース、約100席の記者席は受付開始後、たちまちにして埋まり、新たに席が設けられるほどの注目度でした。会見場檀上は記者席から見て左から、日産自動車、ホンダ、三菱自動車。ホンダの三部敏宏社長が“センター”という配置で記者会見が始まりました。 「経営統合に向けた協議に正式に開始することについて合意に達し 基本合意書を締結した」 ホンダの三部社長の口調は淡々としたもの。会見ではあわせて三菱自動車が経営統合に合流するか検討を開始することも明らかにされました。判断のリミットは来年2025年1月末となります。 ホンダと日産の経営統合によって「車両プラットフォーム共通化」「研究開発機能の統合」などの相乗効果が想定されるとしています。統合が実現した場合は共同持ち株会社の下で進められ、取締役の過半数をホンダが指名することも示されました。さらに、来年2025年6月に最終合意、再来年2026年8月に共同持ち株会社の上場、ホンダ・日産両社の上場廃止というロードマップも描かれました。 「新たな価値創造に挑む、モビリティの新価値を創造するリーディングカンパニーとなること、これこそ両社が目指す姿であり、経営統合を検討する目的となる」(三部社長) 「車両の電動か知能化には巨額な投資が必要。スケールメリットは大きな武器になる。両社が力を合わせることで大きな相乗効果が期待できる」(内田社長) 両社とトップは経営統合による効果について力を込めました。統合により、世界第3位の自動車グループが誕生すると目されています。 ただ、ホンダの三部社長は、今回の発表は検討開始する枠組みを決めたもので、経営統合そのものを決定したものではないことも強調していました。そして、ホンダによる日産への支援ではないかという声は想定しているとした上で、厳しさをにじませました。