たしかに納得せざるをえない…なんと「この地球のすべてが取り込まれている」フライトシミュレータの、じつは「予想外だったユーザー」
「しかるべきタイミング」で姿を見せる動物たち
「単に上空を飛ぶだけではなく、世界中のいろいろな場所に降りていけるようにし、デジタルツーリスト向けには『写真撮影』の機能を強化しました。じつのところ、『どうぶつの森』と『ポケモンスナップ』からヒントを得たのですが(笑)、さまざまな場所で動物が現れるようにしたんです」(ニューマン氏) 動物が現れるといっても、ランダムに登場するわけではない。「どの地域に」「どんな生物が」「どんな季節に」現れるのかという情報を備えていて、それに応じて姿を見せるのだ。この要素は、確かに「観光」だ。
「いつもすぐ隣にいるから」
ニューマン氏は、「個人的な話」と断ったうえで、こんなエピソードを紹介してくれた。 「数年前のことです。ちょうど新型コロナのパンデミックの時期で、私の両親はドイツにいました。父は今96歳で、母は89歳。パンデミックが世界をロックダウンしていたので、両親には二度と会えないのではないかと思った瞬間があり、途方に暮れていました。 だから、フライトシミュレータでドイツに飛んだんです。そこには、私が育った家や湖がありました。両親に電話をしながら『泣きそうだ』といいましたよ。一緒にはいられないけど、フライトシミュレータで風景を見ることはできた。『いつもすぐ隣にいるから』と伝えたんです」 Microsoft Flight Simulatorは複数人でのプレイが可能だが、ニューマン氏によれば、その際に面白いのは、「お互いの姿が見えていること」だという。 「つい先日、同僚と一緒にオーストリアのお気に入りのバカンススポットに行ってきました。オーストリアのアルプスで、よく歩いていた場所を彼に見せたのですが、それは……実際に行ったときと同じように見えました。彼と世界を共有できたんです。こうした可能性は素晴らしいものです」(ニューマン氏)
「航空ライセンス取得」を目指す人も
Microsoft Flight Simulatorは複雑なソフトだ。 前出のように、リアルな機体の挙動や風景が特徴だが、それを「多くのユーザーに楽しんでもらう」ことも志向している。デジタルツーリスト向けの要素はまさにその典型例で、飛行をアシストしてくれる機能などを使っていけば、カジュアルな遊び方も十分に可能だ。 同時に、実際の航空ライセンス取得を目指す航空ファンや、チャレンジングな遊び方を求めるゲーマー向けのプレイモードも強化されているという。