たしかに納得せざるをえない…なんと「この地球のすべてが取り込まれている」フライトシミュレータの、じつは「予想外だったユーザー」
現実の気象情報を取り込む
オーロラのような現象も「リアル」に再現されるようになった。 オーロラは、太陽からの帯電粒子が大気に当たって放電・発光する現象だが、Microsoft Flight Simulator 2024の中でも、同じような発光をうながすしくみを使って再現されるようになっているという。 じつは、2020年の段階から、Microsoft Flight Simulatorは現実の気象情報を取り込み、ゲームの中に反映するかたちで動いていた。それはいったいどのようなものなのか?
全世界の8万箇所から情報収集
Microsoft Flight Simulatorが用いている気象情報は、スイスの気象サービス企業であるMeteoblue(メテオブルー)が収集した天気情報をもとに作られたものだ。彼らの提供する天気情報は、なんと全世界8万ポイントから収集したものなのだという。 2024年版でもその点は引き継がれており、さらに、前述のオーロラなどにはNASAから取得した衛星データも活用されているという。 もちろん、「飛行」そのものに関わる物理演算や航空力学のモデルにも、変更が加えられている。
空気の乱流まで再現
ニューマン氏によれば、「2020」では基本的に、航空機の機体を1000程度の「面」から構成されているものとして、飛行に関する物理計算がおこなわれていた。 「実際に、その計算量でもかなりの精度が実現できていた」(ニューマン氏)ことは、多くの人が「リアルだ」と感じていた事実に如実に現れている。 しかし、2024年版ではこれを「1万」にまで増やしたという。当然ながら、それだけ情報処理は複雑になり、高速な演算が必要になる。 「演算対象が高度化するということは、機体に関するきわめて細かな部分まで影響してくるということです。たとえば、機体についた細かな金属のリボンが生み出す空気の乱流まで再現しています」(ニューマン氏) どうしてそこまで細密な表現を目指すのか?