砂糖を減らす驚きのメリット、肌の健康から認知機能の改善まで、数日でも効果あり
糖尿病のリスクも「数日から数週間で改善が見られる可能性」と専門家
糖類の取り過ぎが体によくないことは、ほとんどの人が知っている。肥満、脂肪肝、2型糖尿病、心臓病、がんなどの健康上のリスクと関連していることから、糖類の摂取をぜひともやめたい悪習リストの上位に挙げる人は少なくない。 ギャラリー:「病気を生む顔」になる食べ物とは 画像5点 糖類の摂取量を減らせば、取り過ぎによる害を避けられるだけでなく、すぐに実感できる驚きの利点をもたらしてくれる。たとえば、「気分や肌の健康、歯の衛生、認知機能、運動能力の向上」が挙げられると、米テキサス州ダラスで活動する栄養学者で登録栄養士のエイミー・グッドソン氏は言う。 そうした恩恵を受けるにはどうすればいいのか、ほかの糖類よりも警戒すべき糖類があるのはなぜか、また、糖類の摂取量を減らすために今日からできることは何なのかについて解説する。
体に悪い糖類とは
まず理解すべきなのは、すべての糖類が体に悪いわけではないということだ。「天然糖類」と「添加糖類」の間には大きな違いがある。 パンに含まれるグルコース(ブドウ糖)、果物(および多くの野菜)に含まれる果糖、牛乳に含まれる乳糖などは、自然に存在する天然糖類だ。天然糖類はエネルギー源になるだけでなく、甘味や風味を与えることで、ビタミンやミネラルなどの重要な栄養素を含む食品をおいしく、食べやすくする。こうした栄養素が、食品に含まれる天然糖類の害を相殺してくれる。 たとえばマンゴーには、中サイズで20グラム以上と、大半の果物よりも多くの天然糖類が含まれている。しかし、マンゴーにはタンパク質、カルシウム、鉄分、マグネシウム、カリウム、ビタミンC、そして何より豊富な食物繊維が含まれている。 その食物繊維が「糖の吸収を遅らせ、体が糖に対処しやすいようにしてくれます」と、米タフツ大学ジーン・メイヤーUSDA加齢人間栄養研究センターの上級研究員であり、食事と慢性疾患予防のリーダーを務めるアリス・リクテンスティーン氏は言う。 つまり、糖を大量に摂取しているのは確かだが、同時に体が必要とする重要な栄養素も摂取しているうえ、食物繊維が糖の吸収スピードを緩やかにし、血糖値の急激な上昇を最小限に抑えてエネルギーを長持ちさせるのを助けてくれるというわけだ。 一方、添加糖類は「加工や調理の過程、またはテーブルの上で、食品や飲みものに加えられる(砂糖などの)糖類のこと」だとグッドソン氏は言う。米国では食品ラベルに添加糖類の量が表示されており、米食品医薬品局(FDA)は摂取量を1日あたり50グラム以下にするよう推奨している。 添加糖類は、食品の保存、食感の向上、かさの増加、そして最も一般的には、超加工食品の味を甘くしたり、改善したりするために加えられている。超加工食品には体によくないものが多い。そのうえ、添加糖類を含む食品には、それを相殺してくれるだけの十分なビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれていない。 「それが、添加糖類がしばしば“エンプティ・カロリー(空っぽのカロリー)”と呼ばれるゆえんです」と、米メイヨー・クリニックの登録栄養士キャサリン・ゼラツキー氏は言う。